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国民権益委は「政権権益委」か

Posted September. 16, 2020 08:05,   

Updated September. 16, 2020 08:05

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国民権益委員会は一昨日、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子に対する検察の捜査と秋長官の長官職遂行は具体的な職務関連性がないという立場を明らかにした。現職法務部長官として、秋長官が検察の息子関連疑惑捜査に職務上いかなる影響を与える立場にいないという意味だ。国民権益委はその根拠として、検察が秋長官の息子捜査に関して秋長官にいかなる報告もしておらず、秋長官はこの事件に対して捜査指揮権を発動したことがないという理由を挙げた。秋長官が息子関連疑惑捜査に直接口出ししていることなどないという論理だ。

しかし、検察の人事権など強大な権限を振り回している秋長官が、検察捜査と職務上何の関連もないという国民権益委の見解は、簡単に納得できない。正式に報告を受けず、捜査指揮権も発動したことがないので無関係だという解釈は、極めて形式論理的な解釈に過ぎない。

秋長官は、最近の一連の検察人事を通じて自分に近い人たちで、ソウル東部地検の捜査指揮ラインを交替させるなど、今回の捜査に少なからぬ影響を既に行使した。捜査チームとしても、権力を握っている人事権者に不利な捜査結論を出して、後で人事上不利益を受けるのではないかいうと考えを振り切ることは容易ではない。

公務員行動綱領が、職務上利害衝突による職務回避や職務停止制度を置いたのは、まさにこのようなことを防止するためのものだ。政府の腐敗防止政策を総括している国民権益委としては、積極的な法令解釈を通じて検察捜査チームが人事権者である法務部長官を気にして、機嫌を窺うことなく、所信をもって捜査できる雰囲気を造成することが自らの役割を果たすことだ。

国民権益委は昨年10月、曺國(チョ・グク)前法務部長官の妻であるチョン・ギョンシム元教授が、検察から捜査を受けたときは、利害衝突を招く可能性があり、長官職から排除することも可能だという解釈を出した。わずか1年足らずで、似たような事例についての判断が正反対に変わったのだ。その間、国民権益委員長が与党「共に民主党」の再選国会議員出身の全賢姬(チョン・ヒョンヒ)元議員に変わったためではないかという疑問を免れ難い。

国民権益委は、秋長官の息子の兵役優遇疑惑を最初に提起した当直兵士のAさんの公益通報者保護措置の要請も、「休暇恩恵の疑惑は公益通報対象行為ではなく、公益通報者とはみなせない」と明らかにした。そうして批判世論が起きると、昨日は、「腐敗通報者または不正請託通報者として保護することを積極的に検討する」と一歩退いた。権力層の腐敗防止のために勇気ある内部告発を積極的に保護しなければならない国民権益委が、本分に忠実するどころか、行ったり来たりしながら「秋長官かばい」のみ汲々する姿を見せているから、「政権権益委」と言われるのだ。