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台風が変化している

Posted September. 05, 2020 09:20,   

Updated September. 05, 2020 09:20

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台風8号「バービー」と台風9号「メイサーク」に続き、台風10号「ハイシェン」まで韓国に向かうことが予想されている中、既存の法則を無視する異例の台風が次々に登場している。

台風は地球の観点で見れば、エネルギーの不均衡を解消するための必要不可欠な存在だ。球形の地球が太陽からエネルギーを受ける際、必然的にエネルギー不均衡が発生するが、これを解消するのが台風だ。台風は、太陽の高度角が大きく、多くのエネルギーを受けた赤道付近の海で作られる。こうしてできた台風は、海から水蒸気を吸収して勢力を維持し、高緯度に移動しつつ地球の低緯度と高緯度のエネルギー不均衡を解消する。

一般的に台風の生成には3つ要素が必要だ。第1は27度以上の高水温海域で、第2は大気の中層への十分な湿気の流入。第3は、大気の下層に渦度性の流れと呼ばれる旋風が強まることだ。台風8号はこのうち2つ目と3つ目の要素が欠如した状態で誕生した突然変異の台風だ。台風8号ができた当時、台湾の東海上には台風の形成の最初の条件である30度を超える高水温の海域は存在した。しかし、十分な湿気を含んだ大気中層や下層の渦度性の流れは存在しなかった。台風8号が気象学会で「自手成家型台風」と呼ばれる理由だ。

台風8号は生成の位置と成長周期も異例だ。普通、北緯5~10度の赤道付近でできた台風は、最近では地球温暖化の影響で北緯15度付近で主にできる。この地域で生じた台風は約10日間移動して韓国に到達するので、移動経路や威力などを予測して十分に備えることができる。しかし、北緯23.5度の台湾の東海域で生じた台風8号は、約10日間の一般的な台風のサイクルが半分に減り、4日後にあっという間に韓国を襲った。勢いよく韓半島に向かってくる台風8号は当時、大きな被害を残した2002年の台風15号「ルサ」や2003年の台風14号「セミ」より強い中心付近の風速秒速40メートル、最大瞬間風速秒速60メートルになるとみられ、大きな被害が予想された。しかし、実際に韓半島に到達した台風8号は幸いにも大きな被害を与えず、しん気楼のように消えた。

 

先に襲った台風8号に出生の秘密があったなら、台風9号には成長の秘密があった。一般的な台風は、陸地に上陸すれば海水面からエネルギーを供給されないだけでなく、陸地との摩擦力のため勢力が急激に弱まるが、台風9号はこのような理論をあざ笑うかのように東海(トンヘ、日本海)に抜けるまで勢力を維持した。その背景には時速70キロに近い速度があった。

 

過去最長の梅雨と記録された今年の梅雨に続く異例の2つの台風8号と9号。今夏が単なる異例の1年に記録されるのか、台風の進化や巨大な気候変動の始まりと記録されるのか判断するには多くの研究が必要だ。地球のためにも人類のためにも、台風の進化でないことを期待する。