Go to contents

ユーチューブが引っ張り「アーミー」が押す、サイが超えられなかった壁を超えた

ユーチューブが引っ張り「アーミー」が押す、サイが超えられなかった壁を超えた

Posted September. 02, 2020 08:57,   

Updated September. 02, 2020 08:57

한국어

「Kポップが、Kドラマと一緒に韓国の最も成功した文化輸出品となっている」(英ガーディアン紙)

防弾少年団がビルボードホット100(シングルチャート)で1位となったのは、韓国歌謡界に一線を画した出来事といえる。国内外のメディアや有名人が、防弾少年団がホット100のトップについたことについて賛辞を惜しまない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、「Kポップの誇りを高めた快挙です。1位となった『Dynamite』は新型コロナにより苦しむ世界の人々に慰めと希望のメッセージを込めて作った歌だというから、なおさら意義深いと思います」というお祝いのメッセージを伝えた。

防弾少年団のビルボードチャートへの挑戦は、2016年から始まった。同年、アルバム「WINGS」がアルバムチャートで26位についた。以後、2018年から今年までなんと4度もアルバムチャート1位についた。しかし、シングルチャートでのトップは容易ではないように見えた。従来の最高記録は、今年3月の4位(「ON」)。3年間11回も「ホット100」につき、最近3曲をトップ10につかせる上昇振りを見せたが、今回の1位は驚くべきことだ。

ビルボードは、毎週、米国内のラジオ放送回数、シングルアルバムと音源販売量、ストリーミング回数、ユーチューブ再生件数などを集計する。シングルチャートは、その週に米国で最も人気のある曲を示す目安と言える。ビルボードが運営する多数のチャートの中で最も大衆の注目度が高い。

●ユーチューブが牽引、スポーティーパイとラジオの善戦も一役

シングルチャート1位には、ユーチューブの力が大きな役割を果たした。「Dynamite」(8月21日発売)は、ユーチューブにミュージックビデオを公開してから24時間後にクリック件数が1億回を越えて新記録を立てた。ビルボードは2013年から、ユーチューブの再生件数をチャートに反映している。Kポップが引き金となった。

歌手・サイの場合、2012年の「江南(カンナム)スタイル」の爆発的な人気にもかかわらず、現地のラジオ再生件数などに押されて、米ロックバンド・マルーン5を最後まで追い越せなかった。米最大音源消費プラットフォーム「スポーティーパイ」で善戦したことも役に立った。「Dynamite」は、韓国歌手の曲としては初めて、スポーティーパイ「グローバルトップ50」で1位、「米国トップ50」で3位についた。

ラジオでも、「Dynamite」は以前に比べて割合少なめに苦戦した。ラジオ・エアプレイ・チャートで韓国歌手最高の30位を記録した。

●米国のテレビに出演して目に留まり、英語歌詞で勝負

これまで以上に緻密な現地化戦略も功を奏した。まず、曲全体の歌詞を英語で作った。防弾少年団は、「韓国語歌詞で言語の壁を突き破った」という既存の誇りをしばらくしまっておいた。作詞・作曲家も、すでに米市場で検証済みの英国人を起用した。

音源発表時期も米国に合わせた。「Dynamite」は、韓国時間で金曜日午後1時に公開した。米東部時間で金曜日0時となる。米国と欧州では、2015年から「ニュー・ミュージック・フライデー」キャンペーンを行って、ほとんどのポップ歌手が金曜日に新曲を出して注目を集める。2017年から、米国の主要テレビ番組と授賞式に顔を出して、現地での裾野を広げたことも効果があった。Kポップならではの熱狂的ファン文化が、現地のアーミーに移植されたことも無視できない。1人に多アカウント、多プラットフォーム、多デバイスの時代に、宗教的ファン層を持った歌手が普遍的人気の歌手と競うだけのデジタル環境がチャートを動かしたことになる。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com