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軍事衛星打ち上げに成功、世界10番目の軍事衛星運用国家に

軍事衛星打ち上げに成功、世界10番目の軍事衛星運用国家に

Posted July. 22, 2020 08:18,   

Updated July. 22, 2020 08:19

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韓国の初の軍事衛星「アナシス(Anasis)2号」が打ち上げに成功した。これで、韓国は世界10番目の軍事衛星運用国家になった。独自の軍通信衛星の確保で、今後、戦時作戦統制権(戦作権)返還の必須戦力である国産偵察衛星の戦力化にも弾みがつくものとみられる。

 

21日、防衛事業庁によると、アナシス2号は同日午前6時半、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から、スペースXのロケット「ファルコン9」に搭載されて打ち上げられた。アナシス2号は発射32分後、630キロの高度でファルコン9から正常に分離し、午前8時19分頃フランスのツールーズ衛星管制センターと最初の交信にも成功した。

アナシス2号は、アンテナと太陽電池パネルを広げて電力供給と2週間の軌道変更作業を経て、静止軌道である約3万6千キロ高度に到着する予定だ。航空宇宙機器開発製造会社のエアバスは、地上局との交信を通じてアナシス2号の全般的な状態が良好であることを確認した。約3ヵ月間の性能点検を経た後、韓国軍による本格的な任務遂行に活用される。防衛事業庁関係者は、「今後、国防科学研究所が開発した地上端末機の試験評価を経て、年内に運用する方針」と伝えた。 

軍では、アナシス2号が本格的に稼動すれば、作戦能力が向上すると見ている。特に、アナシス2号は、北朝鮮の電波攪乱(ジャミング)に影響を受けず、音声、文字、映像などを暗号化して伝送が可能な先端通信システムを備えている。従来の通信衛星よりデータの伝送容量も2倍以上多く、より迅速で正確な戦場指揮が可能になる。これまで軍が使用した民軍兼用通信衛星「ムグンファ5号(アナシス1号)」は、ジャミング攻撃に脆弱で老朽化し、有事での軍の作戦に支障が生じることが懸念された。

 

軍が通信衛星を確保したことで、戦作権返還の核心課題の一つである偵察衛星戦力化にも関心が集まっている。軍は2023年までに国産偵察衛星5基を戦力化する「425事業」を推進している。軍では、独自の通信、偵察衛星を確保することになれば、米戦略兵器に依存しなくても単独の作戦展開が可能になると期待している。

これに先立ち、軍は2014年、ロッキードマーティン社からF-35Aステルス戦闘機40機を導入する条件で軍通信衛星1基の提供を受ける契約をした。今回のアナシス2号の発射に使われたファルコン9の第1段推進体は、5月に世界初の民間の有人宇宙船(クルードラゴン)を国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ時に活用された。


申圭鎭 newjin@donga.com