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「ウィズコロナ」、大学には危機だがチャンスでもある

「ウィズコロナ」、大学には危機だがチャンスでもある

Posted July. 17, 2020 10:01,   

Updated July. 17, 2020 10:01

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「どのように過ぎたのか分かりません」

先日会った首都圏の私立大学総長の言葉だ。新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)が襲った今年1学期を振り返りながらの言葉だ。首を横に振る顔に、虚しい笑みが流れた。大学も、今年の上半期は混沌そのものだった。

現場で最も苦しんしたのは、外国人留学生の管理だ。学期に合わせて入国することも難しく、入ってきた学生を管理することはさらに困難だった。教職員たちが、寮やワンルームに隔離された留学生にお弁当はもちろん、おやつ用チキンまで届けた。とある私立大学の総長は、果物を持って留学生を探しまわった。入学処と学生処、国際交流担当部署の間でいわゆる「管轄論争」が起きた。突然始まったオンライン講義も、きちんと行われるはずがなかった。リアルタイムの講義はおろか録画もできず、数年前の映像を焼き直した教授たちもいた。オンライン試験時は、学生の先端的な不正行為があちこちから出た。

これだけ見れば、失敗した1学期ともいえる。しかし、必ずしもそうではない。とある就職情報サイトで、大学生1050人に対して1学期のオンライン講義の満足度を尋ねた。満足は44%、不満足は31%。大学ごとに差はあるが、70%ほどの教授がオンライン講義に満足したという。理由がある。ほとんど用意された学校だった。また、学生の目線で疎通しようと努力した。ソウルのある私立大学は、昨年2学期のときに大型講義室に映像録画システムを備えた。いつものように講義するだけで、コンテンツを作ることができる。首都圏のとある大学の看護学部の教授らは、実習をしなければならない学生のために早朝に出てきて、防護装置を直接用意した。実習授業が正常に行われると、オンライン講義の満足度も自然に高くなった。

2学期の状況も大きく変わらないだろう。バラ色の予測通りに新型コロナのワクチンが出ても、私たちの体に注射するまでは少なくとも1年以上かかるだろう。そのような点で、今年2学期は、各大学の未来を左右する時期だ。「ウィズ(with)コロナ」に最適化すれば、競争力を一気に高めることができる。しかし、ワクチンが出るまで持ちこたえると思うなら、一瞬にして競争力を失うこともありうる。ソウルのとある私立大学の総長は、「率直に言って、1学期は準備する時間がないことを皆知っていたので、慌ただしく過ぎ去った」とし、「しかし、2学期は状況が違う。きちんと準備しなければ、学生たちが黙っていないだろう」と語った。

素早い大学は、2学期の準備の真っ最中だ。ほとんどが様々な方式のオン・オフライン講義を並行して、いわば「キャンパスでの距離置き」を守る計画だ。オンライン講義以外にも解決すべき問題が多い。共通の悩みは、実家の遠い学生の宿舎の問題だ。オフライン講義が大きく減少した状況で、一学期中に高価なお金を払ってワンルームに住むことはできない。防疫のせいで、寮のフル稼働も難しい。一部の大学は寮をエアベッド&ブレックファストのように運用することについて悩んでいる。学生が希望する期間に低価格で貸すことだ。宿泊施設が解決されても、感染リスクを100%避けることはできない。成人の学生たちのキャンパス外での私生活まで、学校が管理することはできないからだ。

もう少し近い将来まで見れば、今後入学するいわば「コロナ受験生」への対策も必要だ。小中高校生の学力低下は昨日、今日のことではないが、新型コロナはさらに深刻な格差を生んでいる。いつかは大学が引き受けて育てなければならない人的資源だ。落ちた学力を高める大学教育も必要だ。今年の下半期にはもちろん、来年にどのような状況が繰り広げられるかわからない。だから準備しなければならない。ウィズコロナ時代が、競争力を備えた大学には十分なチャンスになりうる。


李星昊 starsky@donga.com