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住宅価格抑制のための増税で税制はボロボロ、こんなふうに税政への信頼を壊してはならない

住宅価格抑制のための増税で税制はボロボロ、こんなふうに税政への信頼を壊してはならない

Posted July. 16, 2020 09:14,   

Updated July. 16, 2020 09:14

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国土交通部の金賢美(キム・ヒョンミ)長官は一昨日、とあるラジオ放送に出演して、「1住宅者等の実所有者の場合、不動産税制の変化はほとんどない」として、不動産増税議論に反論した。昨年より平均22%上昇した財産税請求書を受け取ったソウル市民は、金長官の言葉とは違って、増税をすでに現実に体感している。

文在寅(ムン・ジェイン)政府は、2017年の8・2対策を皮切りに、今年7・10対策まで22度の対策のほとんどに税制関連内容を含ませている。政府与党は、多住宅者だけを狙ったと強調するが、実際は1住宅者も、2018年に総合不動産税の税率が0.2~0.7ポイント上昇したのに続き、与党は1住宅者の総不税率を0.1~0.3ポイント追加で引き上げる内容の昨年の12・16対策を、今月中に国会で可決させる予定だ。政府はまた、「便法増税」という批判を受けながらも、公示価格を速やかに引き上げた。政府が中途半端且つ政治偏向的な対策で住宅価格を高騰させておいて、懲罰的な課税で家主に責任を転嫁する様子を見せている。

不動産関連税制は、不動産対策の主な手段として動員され、乱数表になった。2017年に現政府が復活させた多住宅者譲渡税重課制度は、今年の7・10対策までに何度も税率と適用範囲が変わり、税理士すら税法を理解できず、譲渡税の計算依頼を断る「譲放(譲渡税放棄)税理士」が続出している。租税制度は理解しやすく、予測可能であり、改正時は十分な立法予告を経なければならないという税政の基本は、最初から無視されている。

一部の不動産税率は、「罰金」並みに上昇した。7・10対策により、3軒以上の家を保有したり、規制地域に2軒持っている人に課せられる総合不動産税の最高税率は6.0%に高まるが、12年間で保有不動産価値の半分、24年間で75%を税金で払わなければならない税率だ。専門家らは、財産税の税率が3%を超えれば、元の財産を早く侵食するので、国民の財産権を過度に侵害するとみなす。多住宅者に課す最高72%の譲渡税率、12%の取得税率が国会で可決されれば、韓国の保有税、取引税率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最高水準となる。

すべての問題は、不動産問題を住宅供給拡大などの正攻法ではなく、税金叩きで解決しようとする現政府の無理な政策から始まった。租税制度が、投機抑制のような政治的目標達成に過度に動員されるため、安定性と信頼が急速に崩れて、租税抵抗まで現れ始めた。今後どの政府が発足しても原状回復に苦悩しなければならないほど、すでに不動産税制は正常軌道から離脱した。税制を「不動産政治」にこれ以上動員しては、国の根幹が揺らぎかねない。