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「5Gより50倍も速い6G」30年に商用化、三星電子が未来ビジョン発表

「5Gより50倍も速い6G」30年に商用化、三星電子が未来ビジョン発表

Posted July. 15, 2020 08:26,   

Updated July. 15, 2020 08:26

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家や工場、あるいは都市全体を3次元の仮想空間に正確に再現できるなら、人々はどのような新しい経験ができるだろうか。バーチャルリアリティ(VR)と拡張現実(AR)などを結合して、人々が気付けないほど、実際のものと同じ経験を提供する「超実感拡張現実(XR)」の時代が開かれるなら、どのような新しい産業が登場するのだろうか。

三星電子は14日、このような想像を現実にできる基礎技術「第6世代(6G)のモバイル通信」を2030年に本格的に商用化すると発表した。三星電子は同日、6G白書(写真)を公開し、「2030年に『新しい次元の超連結経験』を提供する」というビジョンを明らかにした。まだ5Gの商用化は初期段階だが、モバイル通信技術の1世代が10年であることを考慮すれば、6G時代のための準備を今始めなければならないという判断だ。

同日、三星電子が提示した6G時代の主なトレンドは、△コネクテッド機器の爆発的増加、△人工知能(AI)活用の通信技術の拡大、△開放型コラボレーションを通じた通信網開発、△通信技術を活用した社会的格差の解消と持続可能な発展などだ。5G(20Gbps)時代に比べて、最大の転送速度が50倍も速い高速6G(1Tbps)時代になれば、スマートフォンだけでなく、実質的にすべてのモノとモノ、人間がリアルタイムで繋がってコミュニケーションが可能になるからだ。

三星電子の関係者は、「6Gが商用化される2030年には、5000億個に達する機器とモノが通信ネットワークに接続され、消費者は今とはレベルが違う経験をすることになるだろう」とし、「来年から6G標準化の準備を開始し、早ければ2028年に商用化、2030年に本格的なサービスが行われると予想している」と語った。

6G時代にはモノと人、建物や工場などの物理的実体を仮想空間にそのまま複製することが可能になるとみられる。都市全体を複製することもできる。シーフード、家畜養殖現場や製品の生産工場を仮想世界に再現することも可能である。このようになれば、仮想世界で大気質の管理や排水管理、生産工程の効率化など、様々な状況を事前に試すことができるようになる。

また、高精度のモバイルホログラムサービスも可能になる。通信業界の関係者は、「6.7インチのディスプレイサイズに当たる3次元空間にホログラムディスプレイを支援するために必要な最小の転送速度(0.58Tbps)の具現が、6G時代から可能になる」とし、「直接人と向き合うような通信経験を提供して、全く異なる方式の疎通も可能になるだろう」と語った。

三星電子が次世代6Gビジョンを提示して本格的な準備作業を始めたのは、「もっと遠くを見据えて先制的に未来を準備しよう」という李在鎔(イ・ジェヨン)副会長の経営哲学が反映された。李副会長は、第4次産業革命時代のコア基盤技術である次世代通信技術に大きな関心を持って事業を直接取りまとめてきた。2019年1月に5Gネットワーク通信機器生産ラインの運転式に出席した当時、「新たに開かれる5G市場で、挑戦者の姿勢で競争力を育てなければならない」と強調した。


徐東一 dong@donga.com