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ピカソが陶器も作った?

Posted July. 09, 2020 08:16,   

Updated July. 09, 2020 08:16

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「まだピカソは人気があるのだろうか?」とも思えるのだが、さすがピカソはピカソだ。ソウル城東区(ソンドング)のザ・ページギャラリーで開かれる「PRINCE | PICASSO」展のことだ。リチャード・プリンスのコラージュとパブロ・ピカソのセラミックの作品をそれぞれ10点ずつ披露する小規模展示なのに、クチコミで毎週末訪れる観客が後を絶たない。

この展示は、ピカソが直接作ったセラミック作品を韓国国内で初めて披露している。これまでオークションなどで見たほとんどの作品は、ピカソのデザインを工房で製作した「エディション」作品だった。今回の展示では、ピカソが直接描き、手で一つ一つこねて作った形の痕跡をそのまま見ることができる。

ギリシャ神話から借用した形状や、エーゲ海近くの古代器を連想させるデザインも見られる。ピカソが陶器を作ったのは、南フランスのヴァロリスだった。南フランスのコートダジュールで休暇を過ごしていたピカソは、1946年、ヴァロリスの年次陶磁器展示に訪れる。ここで知り合ったマドゥラ工房のスーザン、ジョルジュ・ラミエ夫婦から陶器の作り方を学んだ。以後25年間、マドゥラ工房と縁を結び、600種、4000点以上のセラミックをデザインした。

ピカソは、1年間で作られた作品だけでも大規模な展示一つを構成できるほどの多作である。夏休みも「頭を冷やすために」陶器を作った理由は何だろうか。うわぐすりと焼成に反応する「絵画とは異なる技」に対する好奇心もあるだろうが、商品性も大きな魅力だったとみられる。ピカソは、コレクタたちがセラミックにより気軽にアプローチすることを願った。だから、「エディション」を数百点生産して価格を引き下げ、これらがこの10年間、国際オークション市場で着実に取引された。エディション作品は通常、数億ウォン台の値がつくが、手頃な価格の作品は数千万ウォン台でも売れる。

実はこの展示は、リチャード・プリンスのコラージュがメインだ。図録の中のピカソの絵を切り出してプリンスの方法で変形した作品で、2012年にスペインのピカソマラガ美術館の個展で披露したものだ。破れてボロボロになった端と、はさみで切り取ったピカソの絵を見れば、プリンスが「私もピカソ並みのすごい画家だ」と誇示するようだ。ところが、可愛らしく、自由奔放なピカソのセラミックに、しきりに目が行くのを止めることはできない。展示は31日まで。


金民 kimmin@donga.com