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フランス版フロイド事件、「息苦しい」と訴え

フランス版フロイド事件、「息苦しい」と訴え

Posted June. 25, 2020 08:19,   

Updated June. 25, 2020 08:19

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米国で、白人警官によって首を押さえつけられ、「息ができない」と訴えて死亡した黒人男性のジョージ・フロイドさん(46)事件と同様の事件がフランスでも起こっていたことがわかった。警官の過剰制圧の廃止をめぐってフランス内で賛否の対立が大きくなっている。

 

24日(現地時間)、仏紙ル・モンドなどによると、北アフリカ移民のセドリック・シュビアさん(42)は今年1月3日、道路で警官の調査を受けている時、意識を失って死亡した。配送ドライバーのシュビアさんは、バイクに乗ってパリのエッフェル塔近隣のケ・ブランリー博物館の前を通り過ぎていた。警官は、シュビアさんがスマートフォンを手に持って運転し、識別不可能なほどナンバープレートが汚れていたことなど交通規則を違反したという理由でバイクを止めた。

シュビアさんは、「私は間違ったことはしていないのになぜ」と言うと、一人の警官が性的な冗談を言って嘲笑った。シュビアさんと警官の間で小競合いになった。警官4人がシュビアさんを地面にうつ伏せにし、首を圧迫して手錠をかけようとした。シュビア氏は22秒間に7回も「息苦しい」、「窒息しそうだ」と言った。

それでも警官は止めず、シュビア氏は呼吸困難で意識を失った。警官は救急車を呼んだが、医療スタッフが到着した時、すでにシュビア氏は昏睡状態だった。病院に搬送されたが、2日後に死亡が確認された。検視報告によると、外部圧迫による窒息と喉頭部の骨折と判定された。シュビアさんは5人の子どもの父親だった。

しかし、4人の警官はその後、懲戒や捜査を受けなかった。シュビアさんの家族からの抗議が続くと、警察は今月17日に捜査を始めた。この事件の転末は、当時の状況を撮影した映像がフランスの報道機関に情報提供されて明るみになった。

問題の警官は「『息苦しい』という言葉が聞こえなかった」と主張している。しかし、シュビアさんが携帯電話を手に持って運転していたという警官の証言とは違って、シュビアさんのバイクにはハンズフリー装置がついているなど、警官の主張に信憑性がないと同紙は伝えた。

 

この事件を機に警察の拘束手法に対する論議も大きくなっている。フランスにはアフリカなど過去の植民地国から来た移民が多い。警察は、白人に比べて彼らを厳しく尋問したり逮捕するケースが多い。2016年、当時24歳だった黒人青年アダマ・トラオレさんがパリ近郊のボーモンシュルオワーズで、警官に逮捕される際、死亡したのが代表的な例だ。批判が大きくなると、フランス政府は8日、「容疑者の首を圧迫して拘束する手法を廃止する」と宣言した。

 

すると警察労組が「テロや凶悪犯罪に対応ができない」と強く反発し、首を圧迫する拘束手法の廃止は猶予された。シュビアさんの娘のソフィアさんは23日(現地時間)、パリで記者会見を行い、「首を圧迫する手法は一日も早く廃止されなければならない」とし、「マクロン大統領は責任を持って対策を出してほしい」と訴えた。


金潤鍾 zozo@donga.com