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アップルが「15年間の同盟」インテルと決別、マックに独自のチップを搭載

アップルが「15年間の同盟」インテルと決別、マックに独自のチップを搭載

Posted June. 24, 2020 08:52,   

Updated June. 24, 2020 08:52

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アップルがインテルとの決別を選んだ。アップルは22日(現地時間)、15年間続いてきたインテルとの同盟関係にピリオドを打って、アップルのパーソナルコンピュータ(PC)であるマックシリーズに独自に開発したチップ「アップルシリコン」を使用すると発表した。初製品は、今年末に発売される計画だ。これにより、アップルは、スマートフォンからPCまで、事実上すべての製品群に独自に開発したチップを使うことで、「アップル独自の生態系」をさらに強固にできるようになった。

●モバイル-PCのアップル生態系が大きくなる

同日、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はオンラインで開催されたアップルの年次開発者会議(WWDC)で、アップルとインテルの決別を初めて公にした。彼は、「今日はアップルのマックにとって『歴史的な日』だ」とし、「(独自のチップを使うことにより)マックをこれまでより強力にしていきたい」と述べた。

アップルはこれまで、アイフォーンやアイパッド、アップルウォッチなどだけに独自に開発したチップを使ってきた。ノートパソコンやデスクトップなどのマックシリーズには、インテルの中央処理装置(CPU)を使ってきたが、今後2年間の移行期間を経て、アップルシリコンで完全に代替することにした。

情報技術(IT)業界の関係者は、「革新的な新製品公開の空席をインテルとの決別という破格の宣言が埋めた」と語った。毎年、米カリフォルニア州で開催されたWWDCは、今年、新型コロナウイルス感染症の影響で初めてオンラインで無料イベントで行われた。

同日、WWDCの講師として出たアップルのジョニー・スルージ・ハードウェア技術担当副社長は、「アップルの独自のチップを搭載したマックは、電力効率性と性能が共に優れるだろう」と自信を示した。実際デスクトップ形式のPCは、性能が良いのに比べて消費電力が多い。一方、スマートフォンは、消費電力が少ない代わりに、性能は相対的に落ちる。2つの市場のプロセッサチップが異なった理由だ。しかし、モバイルプロセッサ(AP)もどんどん性能が高まると、アップルはPCでも、「低消費電力と高性能」という二兎を捕まえるという野心を表わしたのだ。

さらに大きな意味は「互換性」である。アップルが独自に開発したチップを、マックブックなどのPC製品に適用することにより、今後、消費者たちは、アイフォーンやアイパッドで楽しんでいたプログラムを、マックでもそのまま楽しむことができるようになった。これまでは、2つの製品に搭載されたCPUチップの設計基盤がそれぞれ異なるので、互換性が下がらざるを得なかった。しかし、今後、アップルは消費者にどのようなアップル機器でも同じ経験を享受させ、「アップルならではの独自の生態系」の中に消費者を引き付けておくことができる長い目標を達成できるようになった。

これについて、米CNBCは、「アップルは独自の開発路線に従い、インテルに依存している三星(サムスン)、HPなどの競合他社と差別化できるだろう」と分析した。フォーブスは、「いまやPCメーカーは、モバイルと連携される新しいPCを再創造しなければならないというシグナルだ」と解釈した。

●アップルが設計、製造はTSMC

「アップルシリコン」は、グローバルファウンドリ(受託生産)市場でトップとなっている台湾のTSMCが製造すると予想される。TSMCを追撃する三星電子の立場では、今回のアップルの決定は短期的には悪材料になりかねない。

しかし、半導体業界では、半導体の設計、生産、販売まで全ての責任を負う総合半導体企業(IDM)の最強者インテルの主導権が少しずつファウンドリ市場に進んでいることから、長期的には三星電子にも前向きな効果を与えると予想している。半導体業界の関係者は、「短期的にTSMCの売上増加の効果はあるだろうが、ファウンドリ市場の全体的な成長から見れば、三星電子にも悪くない決定だ」と語った。

アップルは同日、アイフォーンの新しいオペレーティングシステム・iOS14も発表した。アプリが単に並列に配置されていた既存の画面をよりすっきりかつ個性に飾ることができようにしたのが特徴だ。アイフォーンやアップルウォッチを着用後、車を開けたり、エンジンをかけることができる車のキー(Car Keys)機能も新たに公開された。関心を集めた電話中の録音機能の追加はなかった。


徐東一 dong@donga.com