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北朝鮮の非核化詐欺、韓国のお粗末な仲裁者の虚像を暴露したボルトン回顧録

北朝鮮の非核化詐欺、韓国のお粗末な仲裁者の虚像を暴露したボルトン回顧録

Posted June. 23, 2020 08:19,   

Updated June. 23, 2020 08:19

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韓国、北朝鮮、米国首脳らの非核化交渉の内幕を暴露したボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録の全文が公開され、波紋が大きくなっている。主観的な解釈が含まれたボルトン氏の本の内容をすべて事実と言うことはできない。しかし、3国首脳が政治的な計算をし、北朝鮮が交渉過程でとんでもない要求で一貫していたことまでただやり過ごすことはできない。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、一昨年の板門店(パンムンジョム)南北首脳会談の翌日、トランプ氏との電話会談で、「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖を提案し、完全な非核化を約束した」と話した。トランプ氏に北朝鮮の非核化の意思を信じて会談に出ても良いとゴーサインを出したのだ。しかし、その後に北朝鮮が見せた態度から、文氏が正恩氏の意図を誤認したか、自分が望むように拡大解釈した可能性を排除できない。回顧録によると、正恩氏はその後のハノイ交渉で、屑鉄に近い寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄の見返りに国連のすべての北朝鮮制裁を解除するという、受け入れがたい提案に固執した。

 

一昨年のシンガポール米朝首脳会談の成功の過程も、正恩氏が米朝会談を提案し、仲裁したという韓国政府の説明とは違うのではないかという疑いが提起されている。回顧録によると、鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安保室長は、正恩氏にトランプ氏に会うよう提案し、トランプ氏には正恩氏が会うことを望んでいると話したということだ。これは、結果的に米国には北朝鮮の非核化の可能性を伝え、北朝鮮には制裁緩和が可能だと誤って認識させた「配達事故」につながった。国家間の交渉で必要な「正直な仲裁者(Honest Broker)」とはかけ離れていたが、韓半島運転者論や仲裁論が信頼を失えば虚像にすぎないという事実だけが露になった。

回顧録を通じて非核化より政治的な立地を固めることに集中したトランプ氏の即興的な態度も赤裸々に露になった。正恩氏がこのようなトランプ氏を利用してトップダウン方式の交渉で制裁だけ取りはらい、核を保有しようとしたことも確認された。このように各自の政治的利害関係で接近した結果が、非核化は失踪し、制裁問題で北朝鮮が軍事的行動を警告する韓半島危機につながったのだ。

このような内幕が明るみになったが、ボルトン氏の暴露は首脳間の協議を公開しない外交の不文律を破ったものであり、その結果、韓米関係の信頼に否定的な影響を及ぼしかねない。鄭氏は22日、「ボルトン氏の回顧録は相当部分、事実を歪曲している」と述べた。北朝鮮が開城(ケソン)南北連絡事務所を爆破し、韓半島の緊張が最高潮に高まった状況で、このような信頼の損傷をそのまま放置してはならない。今、韓米両国が集中しなければならないことは、両国の信頼を回復し、北朝鮮に対する共同の戦略を講じることでなければならない。お粗末な仲裁者論、運転者論は取り下げ、国際協力による北朝鮮制裁を軸に北朝鮮を非核化の道に導くこと以外に正道はない。