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北朝鮮の対米核脅威、おじけづいた者のホラを放置すれば現実のものになる

北朝鮮の対米核脅威、おじけづいた者のホラを放置すれば現実のものになる

Posted June. 22, 2020 08:35,   

Updated June. 22, 2020 08:35

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北朝鮮が、韓半島で戦争が起こる時、戦略ミサイルと核兵器による米国への攻撃の可能性を警告した。北朝鮮の駐露大使館は20日、「北朝鮮は現在、戦略ミサイルと核兵器を持っている」とし、「朝鮮半島戦争の開始は、米帝に終末をもたらす大変特別な事件として記録されるだろう」と主張した。先週末、米アラスカからB-52戦略爆撃機が東海(トンヘ・日本海)に出動するなど、北朝鮮の挑発に対する警告として、米国が2018年以来初めて戦略兵器展開の動きを見せたことを受け、神経質な反応を示したのだ。

 

北朝鮮の対米核脅威は初めてではない。17年の「炎と怒り」の時に、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は米本土とハワイ、インド太平洋司令部が北朝鮮の攻撃圏内にあると警告した。むろん、北朝鮮の対米核攻撃の脅威はホラの水準にすぎない。北朝鮮の核開発は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に核弾頭を搭載する水準には進展していないと国際社会はみている。ICBMの大気圏再進入の実験にも失敗した。

 

しかし、北朝鮮がICBM搭載のレベルに核弾頭を小型化するのは時間の問題だ。北朝鮮は、核兵器の開発と運搬手段である長距離ミサイルの開発を休むことなく進めてきた。にもかかわらず、政府と与党では制裁緩和による北朝鮮の非核化が可能だという認識に基づいた発言が相次いでいる。さらに、一部の与党議員は、非核化は交流・協力の前提条件になれないと話す。北朝鮮の核開発の歴史の事実関係をあいまいにし、核開発の責任を米国に転嫁する発言も出ている。

今は与野、左右を離れ、声を一つにして北朝鮮のさらなる挑発を阻止しなければならない。開城(ケソン)板門店(パンムンジョム)南北連絡事務所の爆破後、追加の軍事挑発を予告した北朝鮮は、DMZ付近の監視所とこれまで使われていなかった潜伏監視所に兵士を投入し、補修工事を行っている。北西島嶼付近のケモリ海岸地域の海岸砲2門も19日から開かれた状態だ。北朝鮮軍総参謀部が予告した「軍事行動」の前兆の可能性もある。北朝鮮は先週末、文在寅(ムン・ジェイン)大統領を露骨に非難するビラ散布を予告した。

北朝鮮は今は、韓国軍の態勢と米国の戦略兵器の展開の可能性をうかがい、挑発のレッドラインの前で息を整えているが、いつか核弾頭を装着したICBMを完成する瞬間には、北朝鮮の対米発言権は今とは別の次元になる。韓国は、韓半島問題で「乙」になるほかない。米本土の都市が核ミサイルの直接的射程圏に入る状況になれば、有事の際、米国の選択も揺らぐ可能性がある。北朝鮮の核脅威を直視せず、顔色だけを伺っては、北朝鮮の対米核脅威は現実のものとなり、その時は韓国国民だけが被害を受けるということを肝に銘じなければならない。