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統一部長官の人選と外交安保チームの人事がもっと心配される理由

統一部長官の人選と外交安保チームの人事がもっと心配される理由

Posted June. 20, 2020 08:08,   

Updated June. 20, 2020 08:08

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が19日、金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官の辞表を受理した。北朝鮮が体制批判ビラを口実に開城(ケソン)工業団地の南北連絡事務所を爆破するなど南北関係を悪化させたことに対して責任をとって2日前に辞意を表明していた。

北朝鮮が軍事行動を警告して韓半島の危機が高まっているため、統一部長官を空席にしておくことはできない。早くも与党「共に民主党」からは、李仁栄(イ・インヨン)、禹相虎(ウ・サンホ)議員、任鍾皙(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長などが候補に挙がっている。政権初期の統一部長官が官僚や学者出身だったので、政務感覚を持つ政治家出身の起用で流れを変えようという与党の期待が作用したとみえる。

統一部長官の交代は、北朝鮮の非核化に消極的で、南北経済協力を優先させて制裁緩和に重きを置いた政策の失敗にともなう当然の結果だ。そのため、北朝鮮が連絡事務所を爆破する直前まで南北協力だけを強調し、北朝鮮へのビラ散布を阻止しようと地方を回った統一部次官が長官を長期間代行することも不適切だ。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が非核化するという楽観論の中で推進した対北政策が失敗したため、統一部指導部の全面刷新で政策転換に乗り出す必要がある。

にもかかわらず下馬評が流れる候補は運動圏出身で、いわゆる「NL(民族解放)主体思想派」に通じた全国大学生代表者協議会の核心メンバーだった。北朝鮮政権に対して冷徹に対応しなければならない時に、北朝鮮に対する幻想を保持している統一部長官が誕生するのではないか心配だ。さらに、文大統領が最近、元老に会って、対北政策の破綻の原因がビラ対応の失敗と米国の政策決定構造にあると指摘し、忍耐強く解決する考えを示したという。大統領のこのような状況認識が続く限り、誰が外交安保チームのトップを務めても政策転換は難しいだろう。

 

統一部長官の人選は、後に続く外交安保ラインの改編にも影響を及ぼすほかない。国家の危機状況でなされる外交安保チームの改編であるため、北朝鮮核をめぐる外交経験と人格を備えた超党派の要人起用を決断する必要がある。対北政策を変えるどころか失敗した既存政策をさらに強行する人では、傾いた南北関係やひびが入った韓米関係を正常に戻すことはできない。