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「最多連敗タイ」の不名誉から抜け出したハンファ、背景には主将イ・ヨンギュの知られざる努力があった

「最多連敗タイ」の不名誉から抜け出したハンファ、背景には主将イ・ヨンギュの知られざる努力があった

Posted June. 16, 2020 09:49,   

Updated June. 16, 2020 09:49

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「言葉より試合で見せるのが大事だと思いますね」

ハンファのイ・ヨンギュ(35)は電話の向こうから終始、この言葉を繰り返した。長い連敗から抜け出しという安ど感よりは、100試合以上も残っているシーズンへの不安の方が大きいようだった。イ・ヨンギュは15日に電話インタビューに応じ、「連敗中に選手一人ひとりが色々なことを感じたはずだ。僕も勝利への欲望を改めて感じるきっかけになった」と話した。

プロ野球史上最多連敗タイ(18連敗)という不名誉な記録を作ったハンファが14日、長い連敗から脱出できた背景には、主将イ・ヨンギュの知られざる努力があった。この日の試合でも、イ・ヨンギュは9回裏に先頭打者として四球を選んで出塁し決勝得点を記録した。先に7回裏にも投手の内角ボールを避けずふくらはぎに当り、歩いて一塁に出た。仲間たちを奮起させるに十分なプレイだった。

主将イ・ヨンギュの真価が発揮されたのはグラウンドの上だけではに。チームの攻撃では、ベンチの入り口に構えて声高にメンバーたちを励ました。シーズン序盤は主審のストライクとボールの判定に一貫性がないと公式に問題を提起し、主将としての存在感をアピールした。昨年、トレード要請を巡る球団との確執で無期限の参加活動懲戒処分を受けてから復帰し、一段とチームに献身する選手に成長したとの評価も聞かれる。

14日、連敗を止める安打を打ったノ・テヒョン(25)とシーズン前に一緒にトレーニングしながら宿食費を提供するなど後輩たちの面倒もみている。この日三塁ベースからノ・テヒョンの打席を見守っていたイ・ヨンギュは、「後輩に負担を転嫁したようですまなかった。期待通りテヒョンが自分の手で試合を終えてくれたことに感謝する。実に素晴らしかった」と話した。

人には言えないストレスも多かった。KIA所属だった2010年の16連敗に続いてまたも長い連敗を経験したイ・ヨンギュは、「あの時は若かったし、先輩も多かったので、自分はグラウンドで自分のプレーに集中すれば良いと思っていた。しかし、ベテランになってみると確かに状況が違った。落ち込んでいる後輩たちを助けたくても、その時の言葉一つがプレッシャーとして受け止められるところが苦しかった。できるだけ試合前にはしゃべらないようにした」と言った。ベテランの金泰均(キム・テギュン=38)とチョン・ウラム(35)とも言葉よりはグラウンドで全力でプレーする姿を見せて後輩たちに刺激を与えようと意気投合したという。後輩たちに焼き肉を奢ったり、用品をプレゼントしながら励ました金泰均は13日、サスペンデッド宣言が出る前に斗山(トゥサン)を相手にシーズン初本塁打を放ち、雰囲気を盛り上げた。

イ・ヨンギュは、「今日負けても明日また試合をしなければならないのがプロ野球選手の宿命だ」と言い、「選手たちが連敗への負担が軽くなったのは何よりだ」と語った。連敗中に2軍に降格した同僚たちのことも忘れなかった。イ・ヨンギュは、「試合が終わってから沢山の連絡を受けた。(1軍に)来てチームに役立てるプレーをしようと言ってあげた」と紹介した。

誰よりもファンに対する申し訳ない気持ちを繰り返し語った。球団も14日の試合終了後に、「連敗と無気力な試合で脱力感と大きな失望を与えたことについて、頭を下げてお詫び申し上げる」というコメントを発表した。

イ・ヨンギュは、「チームが良くやっているときも悪いときも、変わらない応援を送ってくださっているファンに一番先に申し訳ないという言葉を伝えた。連敗は止めたが、これまで見せられなかったことがあまりにも多い。プロとしての態度と行動で残り試合で最善を尽くしたい」と話した。


姜泓求 windup@donga.com