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バッハとイザイの無伴奏ソナタで日頃の疲れを癒す

バッハとイザイの無伴奏ソナタで日頃の疲れを癒す

Posted June. 16, 2020 08:30,   

Updated June. 16, 2020 08:30

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「音楽は、人類の偉大な文化遺産です。世界の音楽界が新型コロナウイルスで困難に直面している今、この美しい遺産の価値を振り返る良い場所が『歴史を盛り込んだ建築物だ』と考えました」

ベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールのバイオリン部門で2015年、韓国人としては初優勝し、世界のバイオリン界の新進勢力の最前列に立ったバイオリニストのイム・ジヨン(25)が、バッハとイザイの無伴奏ヴァイオリン曲の全曲演奏を披露する。会場は来月1日午後7時半に大韓聖公会ソウル主教座聖堂、11日午後5時はソウル中区西小門(チュング・ソソムン)聖地歴史博物館コンソールレーションホール。

それぞれ歴史と靈性という独特の意味と雰囲気が込められている空間なので、より一層注目されるイベントだ。バッハの無伴奏ソナタとパルティータがバイオリン音楽の「旧約聖書」であれば、これらの作品から影響を受けたウジェーヌ・イザイ(1858~1931)の無伴奏ソナタは「新約聖書」と呼ばれてきた。

15日午前、ソウル銅雀区(トンジャクク)のスタジオで会ったイム・ジヨンは、二人の作曲家の無伴奏ソナタは「構造的に誤差なく建てた建築物」のようだと話した。

「普通は、大家やベテラン演奏家たちが人生の最終段階に広げるレパートリーですね。私は別の方法で考えました。『今、この大きなレパートリーを始めよう。人生のさまざまな段階を経て完成させてみよう』とですね」

チャンスは偶然訪れてきた。年明けに国内での演奏を終えた後、ドイツでスケジュールをこなす予定だったが、2月に欧州での新型コロナウイルスの大流行により足止めされた。この大規模なレパートリーに投資する時間だと思った。練習の初期は後悔もした。

「それこそ『音符の多い』作品ですね。弓の速度、ビブラート、音楽スタイルの研究など、勉強すべきことが一つや二つではありません」。普段1ページずつ練習していたスタイルを捨てて、スケジュール表から組んだ。深く入り込みながら毎日何かを「発見」する喜びが訪れた。

「特にイザイの曲は、ロマン主義ヴィルトゥオーソ(技術的演奏巨匠)のスタイルを含んでいるので、華やかに、旋律を中心に演奏しやすいですね。しかし、よく見てみると、ハーモニーの中の声部が動く数学的パターンのような秘密が感じられます。『こういうことが分かった。これを聞かせなければ』と、毎日感じます。大当たりを発見した感じですね」

1日は、バッハのソナタ1番、パルティータ1番と3番、イザイ・ソナタ1番、4番、6番、11日はバッハのソナタ2番、3番、パルティータ2番、イザイ・ソナタ2番、3番、5番を聞かせてくれる。彼女は2人の作曲家の無伴奏作品が構造的に似ていて、比較しながら交互に演奏するときに非常に興味深く、有益だと考えると明らかにした。

最近までは毎日、練習風景の映像をソーシャルネットワークサービス(SNS)に掲載した。今は練習密度が非常に高くなって、映像を掲載する時間を作るのが難しくなった。「実際に完成した演奏とは違って、練習は美しい作業ではありません。疲れとミスが細かいところまで明らかになります。しかし、夜明けに私が掲載した1分の映像を見て、『一日の疲れを忘れた』という反応が上がってくるのを見て、『これが音楽が与える力だな、音楽で近付ける経路はいくつもあるんだ』という気がします」

彼女は8月、ロッテコンサートホールが主催する「クラシックレボリューション」に参加して、ベートーベンのバイオリン協奏曲と3重協奏曲を共演する。11月は、芸術の殿堂のコンサートホールで、ピアソラとヴィヴァルディの「四季」を一緒に演奏するプロジェクトを企画している。

生活の中の距離置き(ソーシャルディスタンシング)のガイドラインに従って、使用可能な全座席の25~50%だけをオープンする。5万ウォン。


ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com