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世界史を変えた戦い

Posted June. 16, 2020 08:30,   

Updated June. 16, 2020 08:30

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世界史を変えた戦いといえば、多くの戦いが浮かび上がる。考えてみれば、戦いで世界史に影響を与えていない戦いなどない。シーザーがアレシアで敗北し、ローマがガリア征服に失敗したなら、ワーテルローの戦いがナポレオンの勝利で終わったなら、もしゲティスバーグで南軍が勝利したなら、私たちが知っている米国はなく、米国は複数の国に分割されているかもしれない。仮想ではなく、現実に戻ると、20世紀の運命を左右した決定的な戦いがある。1914年8月にドイツとロシア軍が対戦したタンネンベルクの戦いだ。ドイツ軍は兵力で7対4の劣勢にもかかわらず、ロシア軍を殲滅した。

ロシア軍は1、2軍に分離されていたが、ドイツ軍は1、2軍の間の協力が全くできていないことを看破した。前哨戦を繰り広げて、1軍を固着させた後、彼らの目の前でほぼ全兵力を取り出して、2軍の前に移動させた。ドイツ軍の攻撃に2軍は大敗し、指揮官のサムソノフは自殺した。孤立した1軍は戦いを放棄して撤退した。ドイツが捕まえた捕虜だけで9万5000人だった。この敗北の衝撃が、ロシア革命の引き金となった。一方、ドイツ軍総司令官・ヒンデンブルクは、民族の英雄になって、ワイマール共和国の大統領に選出される。ある人は、ヒンデンブルクが大統領でなかったら、ヒトラーもなかったと言う。このほどなら、20世紀の運命を変えた戦いであることは明らかだ。

ドイツの大胆な各個撃破戦術は、いくつかの伝説を生んだ。しかし、この勝利の真の背後はロシア軍である。ロシア軍の戦術もそれなりに立派だった。しかし、理想と現実が合わなかった。ロシア軍は、そのような戦術を実行する準備もできていなかったし、実行過程で現れる問題も知らなかった。一方、ドイツ軍は弛まぬ訓練を通じて問題を発見し、実行能力を体得した。ドイツが製錬、鋳造技術を磨いて、鉄の塊を剣に変えたなら、ロシアは頭の中で剣を描きながら、鉄の塊を出したことになる。理想は、現実という火に入れて溶かして叩いてこそ製品となる。