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未来世代へのオマージュ

Posted June. 11, 2020 08:18,   

Updated June. 11, 2020 08:18

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欧州主要都市の広場に行けば、青銅騎馬像をよく目にすることができる。そのほとんどが、強力な皇帝や戦争英雄を記念するために建てられたものだ。揺り木馬に乗った子供を表現したこの青銅像も、広場のために作られたが、伝統的な騎馬像とは全く違う。それなら、この像は何を記念するためのものだろうか?作品を制作したエルムグリーンとドラグセットは、デンマーク出身のミカエル・エルムグリーンとノルウェー出身のインガ-・ドラグセットで構成された芸術家デュオだ。彼らは公共場所で簡単に接する造形物や標識などの様々な視覚言語が、私たちの潜在意識の中でどのようにして一つの基準点として働くかについて、長い間探求してきた。この作品も、公共造形物についてのユーモアと逆説を込めたもので、2012年に「4回目の座台プロジェクト」を通じてロンドン・トラファルガー広場に18ヶ月間展示された。

トラファルガー海戦の勝利を記念して造成されたトラファルガー広場には、ネルソン提督の像を中心に4つの座台が置かれているが、その上にジョージ4世の騎馬像をはじめ、19世紀の戦争英雄たちの銅像が建てられている。第四座台は、元々ウィリアム4世の騎馬像のために作られたが、資金確保の問題で150年以上の空白期間の後、1999年から革新的なパブリックアートの舞台になった。この黄金ブロンズ像は、2012年の選定作だ。歴史的に騎馬像は、王や将軍の力と権力、リーダーシップを象徴する。しかし、作家は芸術が権力の表現手段として利用されることを批判する。高さが4メートルにも達するこの巨大な騎馬像には、武器を持った旗手も、勇敢な馬もない。揺り木馬に乗って遊ぶ子供だけがいる。

子供たちは、成長するために毎日戦いを繰り広げる。座台の上に置かれた子供は、戦争英雄の地位につくが、記念すべき歴史はなく、唯一希望に満ちた未来だけを持っている。作家は、未来世代の希望を称賛する。結局、世界を変化させるのは大人の戦争ではなく、子供たちの想像力と創意力だということを気づかせてくれる。