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「あきらめてはならない」アデン湾英雄が遺した最後の頼み

「あきらめてはならない」アデン湾英雄が遺した最後の頼み

Posted May. 30, 2020 08:29,   

Updated May. 30, 2020 08:29

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「いかなる困難に見舞われてもあきらめずに挑戦すれば、必ず実現されるということを胸に刻んでください…」。ソク・へギュン元三湖(サミホ)ジュエリー号船長(67)は29日、海軍将兵たちに向かってこのような言葉を残しながら、最後の講義を終えた。

氏は2011年1月、ソマリアの海賊に拉致された三湖ジュエリー号の乗組員救出作戦である「アデン湾黎明作戦」の過程で銃傷を負ったが、李國鍾(イ・グクジョン)亜洲(アジュ)大学教授から手術を受け、奇跡的に回復した。以後、2012年から慶尚南道鎮海(キョンサンナムド・チンへ)の海軍教育司令部の安保教育教官(3級軍務員)として勤務してきた氏は、31日の退職を控えて、同日、退職記念行事とお別れの講義を行った。夫石鍾(プ・ソクジョン)海軍参謀総長(大将)はソク元船長に感謝状を渡して労苦に感謝を表した。

退職記念行事に先立って、ソク元船長はアデン湾黎明作戦で活躍した崔瑩(チェヨン)艦(4500トン級の駆逐艦)を訪れた。将兵たちの歓待の中で艦艇に上がった氏は、カン・ミョンギル艦長(大領)の案内で、艦艇のあちこちを見回しながらアデン湾黎明作戦と名誉キャプテン委嘱式など、崔瑩艦と交わしていた記憶を振り返った。

続いて崔瑩艦の乗組員を対象に、最後の講義を行った。彼は、「アデン湾黎明作戦直後は松葉杖をついて立って歩くことができたが、『やればできる』という信念で毎日運動を行い、今は部隊の運動場のトラックを走って一周できるほど健康が良くなった」とし、「絶対あきらめずに、何事にも最善を尽くしてほしい」と頼んだ。

ソク元船長は、「海軍下士官を皮切りに、アデン湾黎明作戦と海軍安保教育教官の退職を控えた今まで、海軍は私の人生の中で最も重要な瞬間を一緒にした」とし、「いつのまにか50年近くなった海上での生活を意義深く仕上げることができるように配慮してもらった海軍に感謝する」と感想を明らかにした。それとともに、「アデン湾黎明作戦の主役である崔瑩艦で最後の講義をすることができて、非常に意義深く思う」と目頭を熱くした。


尹相虎 ysh1005@donga.com