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オランダ首相、コロナ予防規則を守って母親の最期看取れず

オランダ首相、コロナ予防規則を守って母親の最期看取れず

Posted May. 27, 2020 08:55,   

Updated May. 27, 2020 08:55

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オランダのマルク・ルッテ首相が、新型コロナウイルスの予防規則を守るために母親を看取ることができなかった。予防規則を破って物議をかもした英国、オーストリア、米国、ブラジルの指導者に比べて、「ノブレス・オブリージュ(持てる者の義務)」と評価を受けている。

25日、英紙テレグラフなどによると、ルッテ氏の母親のミカ・ルッテディリングさん(96)は、オランダ・ハーグのある老人ホームで暮らしていた。高齢のルッテディリングさんは、今月初めに健康状態が悪化した。新型コロナウイルスに感染したわけではなかった。

今月13日、ルッテディリングさんは亡くなったが、ルッテ氏は看取ることができなかった。老人ホームなどの集団施設への訪問を禁止する内容を含む予防規則のためだ。ルッテ氏は、「悲しみが大きいが、母親に感謝し、別れを告げる。今後すべての人々が平和になることを望む」と述べた。首相室側は、「ウイルスの感染拡大を防ぐための政府の規定を首相が守ることを決めた」と明らかにした。オランダ政府は、老人ホームなどの集団施設の封鎖措置をこの日一部緩和したのに続き、来月15日に完全に解除する方針だ。

 

ハーグ出身のルッテ氏は、青年時代に右寄りの自由民主国民党(WD)で政治を始めた。2006年に党代表になり、10年の総選挙でWD所属では92年ぶりに首相に就任し、在任10年目だ。

ルッテ氏のこのような振る舞いは、新型コロナウイルスの予防規則を破る主要国の指導層と対照的だと英紙ガーディアンは伝えた。英国では、新型コロナウイルスの症状があったドミニク・カミングス首相室上級顧問が外出禁止措置を破って400キロ移動していたことが明らかになり、辞任要求が強まっている。カミングス氏はジョンソン首相の最側近だ。

カミングス氏は、「4歳の息子の世話をしてもらえる親族がいるダラムに移動した」と説明したが、当時、付近の観光地も訪れたことが明らかになった。これについてカミングス氏は25日、記者会見を行い、「コロナの影響で視力が悪くなっており、隔離後、復帰時にロンドンまで運転できるか確かめようと運転してみた」と釈明したが、批判を受けている。

 

オーストリアのファンダーベレン大統領は24日、外出禁止措置を破って午前0時が過ぎても首都ウィーンのあるレストランにいて、警察に摘発された。アイルランドのバラッカー首相も21日夜、ダブリンのある公園で友人らと散歩を楽しみ、公共の場所の長居を禁じる政府の指針を破ったのではないかという批判を受けている。

トランプ米大統領は、メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の連休である23、24日、バージニア州スターリングのあるゴルフ場にマスクをつけずに訪れ、「予防無視」で論議を呼んだ。ブラジルのボルソナロ大統領も23日夜、マスクをせずにブラジリア市内のホットドッグスタンドでホットドッグを頬張る様子が確認され、物議を醸した。


金潤鍾 zozo@donga.com