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「5・24措置失効」と言う政府、韓米の亀裂招く「危険な賭け」を始めるのか

「5・24措置失効」と言う政府、韓米の亀裂招く「危険な賭け」を始めるのか

Posted May. 22, 2020 07:58,   

Updated May. 22, 2020 07:58

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統一部報道官が20日、「5・24措置は事実上、実効性が相当部分喪失した」とし、「南北交流・協力を推進するうえで障害にならない」と述べた。統一部はこの発言が5・24措置の廃棄ではないとしながらも、「実効性を失った」という立場を繰り返し明らかにした。これに対して、米国務省は、「南北協力が非核化の進展と歩調を合わせて行われるよう韓国と調整している」と強調した。

今年で10年になる5・24措置は、北朝鮮による哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没に対応して、開城(ケソン)工業団地を除く貿易・北朝鮮訪問・投資を全面中止した韓国政府の独自の制裁。しかし、李明博(イ・ミョンバク)政府以来、柔軟化され、例外措置も取られたことで、多くの部分で効力を失ったのも事実だ。にもかかわらず、北朝鮮の謝罪など責任ある措置がない状況でも5・24措置は維持されてきた。一昨年の国政監査の時も、統一部は「立場に変化はない」と線を引いた。

その政府が「実効性喪失」を強調したのは、北朝鮮との関係改善に動き出す信号弾と読むことができる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、「米朝対話だけを見ているのではなく、南北間にできることを探していこう」と注文したことによる統一部の後続措置ということだ。挑発に免罪符を与えるのかという国内の反発や、あまり先走ってはならないという米国のブレーキに縛られないということだ。

政府与党の内外では、総選挙の圧勝と高い政権支持率を背景に、米国と対立しても南北関係を推し進めなければならないという主張が出ている。特に、米大統領選までの5ヵ月間が、外交成果を渇望するトランプ氏を動かす機会ということだ。文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐官は、「膠着状況を反転させる方法は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のソウル答礼訪問しかない」と述べ、任鍾晳(イム・ジョンソク)前大統領秘書室長も「文大統領は否定的な見解があっても事を推し進めるだろう」と強調した。

南北対話を機に米朝対話を引き出した一昨年の失敗したプロセスを再稼働しようということだが、北朝鮮が応じるかは疑問であり、南北間の急接近は韓国内の対立と韓米対立を招くほかない。にもかかわらず、何であれしなければならないという焦りでまぐれ当たりを狙うなら、それはただ危険千万な賭けとなる。