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南北コロナ防疫協力、1億ウォン相当の手指消毒剤が北朝鮮へ

南北コロナ防疫協力、1億ウォン相当の手指消毒剤が北朝鮮へ

Posted May. 15, 2020 08:39,   

Updated May. 15, 2020 08:39

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北朝鮮が新型コロナウイルスの感染拡大で封鎖した中国との国境を開き、韓国の民間団体が支援した手指消毒剤1億ウォン分が伝えられた。新型コロナウイルスの感染拡大後、韓国の防疫物品が北朝鮮に伝えられたのは初めて。公衆衛生での協力を通じて南北対話の糸口が見出されるか注目される。

14日、統一部によると、韓国の民間団体が支援した手指消毒剤が先週、中国を通じて北朝鮮に渡った。統一部が3月31日に北朝鮮への搬出承認を下してから約1ヵ月が経った。先月21日に搬出承認を受けた民間団体の保護服2億ウォン分(2万セット)も、近く中国を通じて北朝鮮に伝えられるとみえる。

 

中国と北朝鮮は、防疫物品の移送をめぐる防疫措置に特に神経を使っており、物品の伝達が多少遅れたという。統一部当局者は、「中朝国境地域の防疫関連措置のため、防疫物品が中国でかなりの期間待機しなければならず、北朝鮮に入っても関連措置が続く模様だ」と話した。また、「日程が少し遅れてはいるが、追加の物品(保護服)も無理なく伝えられると期待している」と語った。

北朝鮮に伝えられる手指消毒剤と保護服は、北朝鮮に対する制裁品目ではないと、政府は説明した。転用を阻止するために、支援団体が統一部に申請した北朝鮮内の支援対象に物品がちゃんと伝えられるかモニタリングも行われる予定だ。ただし、モニタリングするために韓国人が北朝鮮に入れないという。同当局者は、「中朝国境の人的統制と制約が厳しい状況なので、防疫物品と共に人(モニタリング要員)が入ることは以前より難しくなった」とし、「ただし、支援団体が提示したモニタリングの方法によって適切なモニタリングがなされるだろう」と話した。

民間団体を通じた南北の新型コロナウイルス防疫協力が実現し、当局間防疫協力にも弾みがつくか関心を集まっている。2018年の平壌(ピョンヤン)共同宣言の後続措置で、同年10月に南北保健・医療支援分科会談が10年ぶりに開かれたが、実質的な成果は出せなかった。翌年初め、政府がインフルエンザ治療剤のタミフル20万人分と迅速診断キット5万個を北朝鮮に送ろうとしたが、実現しなかった。当時、陸路の移送に必要なトラックをめぐって制裁問題が障害になったという。その後、アフリカ豚熱(ASF)に対する政府の防疫協力の提案にも北朝鮮は応答しなかったが、今回の新型コロナウイルスの危機では、一部態度を変化させたのだ。「感染者がいない」と言っていた北朝鮮は、国境なき医師団(MSF)をはじめとする国際機関から防疫物品の支援を受けている。

韓国の手指消毒剤が北朝鮮に伝えられた後、10日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任3年目の演説を通じて、「南北が感染症の防疫に協力するなら、国連安全保障理事会の制裁にも抵触せず、南北国民の公衆衛生の安全に大位に貢献するだろう」と述べた。その一方で、「(新型コロナウイルスで)国際的な交流や外交が全般的に止まっている状況なので、北朝鮮に続けて督促だけする状況ではないと考える」とも述べた。南北防疫協力に向けた当局者会談については、もう少し時間が必要ということだ。統一部当局者は、「民間団体の北朝鮮に対する支援の成功を肯定的なシグナルとみている」としつつも、「北朝鮮はまだ政府の防疫協力の提案に肯定的な返答をしていない」と述べた。


ファン・インチャン記者 hic@donga.com