彼らは、オバマ政府では聞かれない超強硬メッセージを投げかけ、北朝鮮が挑発すれば直ちに報復するという強い意志を表明した。トランプ氏が就任後、ロシアとの関係回復、中国との覇権競争に没頭して北朝鮮核問題を後回しにするという一部の見方と憂慮を弱めるほどだ。
「もし私をくそのように扱ったら、全員殺す」という強力な指揮方針で戦場で「狂犬」(Mad Dog)と呼ばれたジェームズ・マティス国防長官指名者は、聴聞会でも北朝鮮が挑発すれば「かみちぎる」と述べた。メティス氏は、ワシントンで論議となった対北先制攻撃論について表情を変えることなく「排除しない」と述べた。
また、「北朝鮮の侵略に備えて、米本土はもとより(韓国など)同盟のミサイル防衛能力も強化しなければならない」と釘をさし、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓半島配備の推進にともなう中国の反発と韓国内の賛否世論は気にしない考えを再確認した。聴聞会でマティス氏を先輩の長官と紹介したウィリアム・コーエン元国防長官は、「マティス氏は戦闘での勝利だけを考える戦士(warrior)であり、『ブレイブハート(Brave Heart)』だ」と評価した。
軍出身で代表的な対北朝鮮超強硬派のマイク・ポンペイオ(現共和党下院議員)中央情報局(CIA)長官指名者も、北朝鮮を「イスラム国」(IS)に準ずる米国への脅威勢力とすることに躊躇しなかった。聴聞会で、「米国に危害を加えようとするテロリストに対しては長い名簿を持っているが、その他に代表的なのが北朝鮮、中国、ロシアだ」と言い放った。北朝鮮のハッキングなどサイバー攻撃に対しても、「攻撃的サイバー作戦を遂行できるほど技術的な進入障壁を克服した」と指摘した。これと関連してトランプ氏は11日、記者会見で、「就任すれば90日内に情報機関のサイバーテロ防衛戦略を構築する」と明らかにした。
グローバルに事業を展開する石油再大手エクソンモービルの前最高経営責任者であるレックス・ティラーソン国務長官指名者は、実業家らしく北東アジア情勢に対する現実的認識を基に確固たる対北圧迫外交を展開すると明らかにした。ティラーソン氏は11日、聴聞会で、「米国が十分にリーダーシップを発揮できず、(北朝鮮のような)悪党が世界の秩序を惑わしている」と述べた。中国の及び腰の北朝鮮制裁については、「中国の空公約をもはや容認できない」と主張した。これに対して、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は13日、「トランプ氏の外交チームが今のように続けるなら、中国との武力衝突を準備しなければならない」とし、北京の不快感を示した。
トランプ氏側の強硬な態度は、最近の北朝鮮のICBM発射や6回目の核実験準備の動きも影響を与えたと見える。ワシントンのある外交消息筋は、「当分の間、米朝対話の可能性は低いだろう」と見通した。世論調査機関のピューリサーチが成人1502人を対象に実施し12日に発表した世論調査の結果によると、回答者の64%(複数応答)は、北朝鮮の核を米国を脅かす核心要因に挙げた。これは、ロシア(54%)、中国(52%)より高く、単一国家としては最も大きな脅威だった。北朝鮮の脅威水準はIS(79%)、サイバー攻撃(71%)に続き3番目。
李承憲 ddr@donga.com