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ハーバード大学が「善良な投資」に乗り出した理由は?

ハーバード大学が「善良な投資」に乗り出した理由は?

Posted April. 15, 2014 03:29,   

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米ハーバード大学のドリュー・ギルピン・ファウスト総長は最近、米大学としては初めて、国連責任投資原則(PRI=Principle of Responsible Investment)に加盟すると明らかにした。ハーバード大学基金は昨年基準で323億ドルもある。国連PRIに加盟することによって、ハーバード大学は今後、基金を運営する際は、環境や社会、企業支配構造などを考慮して投資することになる。

総長がこのような決定を下したのには、学生らの役割が大きかった。一部の学生らは、「ハーバード大学が目先の利益と、未来の生存とを引き換えてはならない」とし、エクソンモービルやブリティッシュペトロリアム(BP)など、化石燃料の生産・取引企業への投資を撤回すべきだと主張した。彼らと意を共にする学生が増えたため、総長が「善良な投資」に乗り出したのだ。

韓国の国民年金も09年、国連PRIに加盟し、社会責任投資型(SRI)への委託運用規模を増やしている。国民年金公団によると、この規模は6兆4000億ウォンと、昨年(5兆2000億ウォン)より23%も増えている。

ところが、いわば、「善良な企業」に投資する複数の社会責任投資商品の成績が低迷していることが明らかになり、目を引いている。韓国取引所によると、総合株価指数(コスピ)は、昨年末基準の2011.34から、11日は1997.44へと13.9ポイント(0.69%)下落したが、同期間、SRI指数は、1871.67から1832.88へと、38.79ポイント(2.07%)下がった。KRX・SRI指数とは、環境保護や社会的責任、支配構造などを巡る韓国企業支配構造院の評価を基に選定された70あまりの銘柄の指数を算出したものだ。

実際、多くの海外研究結果によると、社会責任投資と一般投資との間の収益率の差がなかったり、むしろ社会責任投資の収益率のほうがやや低い。問題は、国内社会責任投資の収益率が低迷している原因が、「上辺だけの社会責任投資」にあることだ。KRX・SRI指数に編入された銘柄は、三星(サムスン)電子や韓国電力、現代(ヒョンデ)車など、一般成長型ファンドと似ており、大型株の流れが低迷し、SRI指数が弱まりを見せているという分析だ。ひどい場合は、社会責任投資を打ち出しながら、支配構造で問題を起こした企業に投資するファンドも多いという。

社会責任投資は、収益率がいくら高くても、環境を汚染したり、酒やタバコ、武器など、人間に害悪を及ぼす企業には投資してはならない。そのため、投資銘柄を選ぶことも、投資収益率を上げることも、一般投資より容易ではない。にもかかわらず、投資家らが社会責任投資に金を預けるのは、収益率よりは、社会貢献が目的であり、時間が経つほど「善良な企業」の成果が目立つだろうという信頼のためだ。社会責任投資を打ち出した運用会社各社は、投資家のこのような信頼を裏切ってはならない。