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[オピニオン]GDP代替の幸福指数

Posted September. 16, 2009 04:58,   

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国民所得と幸福との相関関係をめぐっては、米経済学者リチャード・イースターリン氏の研究が有名だ。氏は1946年、30カ国あまりの国々を対象に国民の幸福度についての研究をおこなった。その結果、経済力とは関係なく、すべての国において、所得水準と個人の幸福感とは、一定時期までは比例関係が成立することが明らかになった。ここまでは常識的な話である。重要なのは、一定時期が過ぎれば、所得が上がっても幸福の度合いはそれ以上は上がらないという現象だった。「イースターリンのパラドックス」である。

◆幸福の逆説はどこにも存在する。所得が高いほど幸福度も高まることになれば、米国や日本国民がキューバやバングラデッシュより幸せを感じるべきだが、さまざまな調査を見れば、必ずしもそうではない。米国は1971年から1991年にかけての20年間、国民所得は83%増加したものの、幸せだと感じる国民の割合は、むしろ減った。国民の幸福度の調査のうち、英国の新経済財団(NEF)やレスター大学の国民幸福指数も広く知られているが、07年度におけるトップの国はバヌアツやデンマークだった。バヌアツは太平洋の貧しい島国だ。

◆ロバート・ケネディ元米上院議員は生前に、「国民総生産(GNP)は、生活を営む価値があるように仕向けるものを除いたすべてのものを測定するものだ」と主張し、所得指標の限界を圧縮的に表現した。最近、国の経済活動を表す指標として最も広く使われている国内総生産(GDP)は、環境悪化などの外部効果や生活の質をきちんと反映していないという批判を受けてきた。にもかかわらず、これに取って代わる経済指標がないことは、個人の幸せを定量化することが難しいためであろう。

◆ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授とアマルティア・セン教授が、フランスのニコラ・サルコジ大統領に対して、幸福や健康志向などの指標を含めた新たな経済指標の勧告案を提出した。新たな経済指標の創案は、サルコジ大統領の大統領選挙公約だった。新指標はGDP算出方式の変更や新たな幸福測定法、環境および金融安全性の3つからなっている。サルコジ大統領はこれを来週に、ピッツバーグで開かれる金融サミット(G20)会議に主要議題として提出する予定だ。GDPのおいて世界13位のわが国の国民の幸福度は07年のNEFとレスター大学の調査においては、共に100位以下だった。スティグリッツ&セン方式に基づいた幸福度はどうなるか、気になる。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com