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[オピニオン]高速鉄道の技術移転はうまく行っているのか

[オピニオン]高速鉄道の技術移転はうまく行っているのか

Posted March. 29, 2002 11:00,   

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うららかな春の日差しの京釜(キョンブ、ソウル〜釜山)高速道路を走っていると、窓から見なれない構造物が目につく。檀君(タングン、韓国の始祖)以来最大の工事といわれている京釜高速鉄道の工事現場だという。見るからに丈夫そうな橋とトンネルをみると、ソウル〜大田(テジョン)間を50分間で走破し、釜山(プサン)まで2時間で行ける日が待ち遠しくなってくる。まして、2003年12月のソウル〜大田間の運行をひかえて、試運転が順調に行われているというのだから安心だ。

だが、もっと時間が経つ前にひとつはっきりさせなければならないことがある。それは「技術移転」の問題だ。約10年前に高速鉄道の妥当性を議論する際に、「果たしてそんなに早い列車が狭い韓国に必要なのか」ということだった。だが、こうした議論を鎮めたのは、「技術移転を受けて、韓国も高速鉄道の車両を生産することができれば多くの利益を得られる」という論理だった。

技術移転の段階は大きく三つに分けることができる。第1段階は、技術指導を受けて、部品を組み立ててみることで、その次が独自に作ってみる組み立て生産だ。最後に設計を自己修正して生産することで、この時になってやっと技術を完全に習得できたと言える。だが、筆者が懸念している理由は技術移転のあいまいさにある。

韓国側は技術移転のために、フランス現地に技術陣を派遣して研修を受けている。そして何両かの高速鉄道の車両を導入し、試運転を重ねながら技術を習得している。ところが、懸念されるのは、車両製作の総合的な技術を移転すべき主体が明らかでないということだ。初めは、車両製作会社のアルストーム社が技術移転の主体であるとされていたが、アルストーム社はその責任は各部品会社にあると主張しているそうだ。

筆者は確かな技術移転のためには次の三つを提案したい。まず、初期の高速鉄道の目的をもう一度確認し、技術移転の重要性を認識せよと強調したい。スピードが速い列車に乗るという目的ひとつだけで、あんなに多くの資金を投資したわけではないはずだ。最先端技術を習得し、韓国も鉄道技術の先進国に躍進するという目的もあった。もし、車両製作技術を習得できなければ、半分の成功で終わるという認識が必要だ。

第二に、現在の技術移転状態を点検すること。技術移転を受ける技術人材が分野別に十分なのか確める必要がある。車両の設計図をもとに習得すべき核心技術をもう一度整理して点検するべきだ。必要な資料と図面は確保できたのか、部品を生産する協力会社はすべて把握できたのか確認しなければならない。

第三に、独自モデルの開発と生産計画を樹立することだ。自己生産は、技術を正しく習ったのかを確認する上で必要なプロセスだ。こうした確認は取得した後に即刻生産してみてこそ効果がある。時間が経てば習ったものも忘れてしまうし、また抜けている部分をフランス側に再び問い合わせるのも困難だ。技術陣が引き続きいっしょに仕事しないで、職を離れる人が出れば技術陣がバラバラになる。だからすぐに車両が必要でなくても、設計図を韓国の実状に合わせて修正し、試製品を作ってみる必要があるのだ。

よくやっているのに、何を言っているんだと思われるかも知れない。建設工事の成功だけが、わたしたちの目的ではないということを改めて認識しなければならない。

鉄道車両の導入契約書に技術移転の費用も含まれている。いま、これをきちんと習得できなければその費用は無駄使いしたことになると思えばよい。どうか、「消した火ももう一度確認する」気持ちで再点検してほしい。

李光炯(イ・クァンヒョン)韓国科学技術院国際協力処長兼未来産業の碩座教授(バイオ情報学)