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「トランプのツイートを集中的に検証…事実確認に2ヶ月半がかかったことも」

「トランプのツイートを集中的に検証…事実確認に2ヶ月半がかかったことも」

Posted April. 06, 2019 08:56,   

Updated April. 06, 2019 08:56

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「今まで2000件以上の『ファクトチェッカー』コラムと記事を書きました。事実かどうかを正確に検証するのに2ヶ月半がかかったこともあります。特定のファクトを追跡する過程で、これまで公開されたことのない秘密資料を単独で確保したこともあります」

米紙ワシントンポスト内のファクトチェック担当部署である「ファクトチェッカー」を率いるグレン・ケスラー編集長(60)が記者と会ってすぐに口にした言葉だ。1959年、オハイオ州シンシナティで生まれた彼は、ブラウン大学学士、コロンビア大学修士を卒業後、言論界に入門した35年目のベテラン記者。ニュースデイなどを経て、1998年に同紙に加わり、ホワイトハウス、国務省、議会などを担当して政治と外交安保分野をあまねく取材した。彼がジョージ・W・ブッシュ政権内の権力暗闘を素材に執筆した本「側近(The Confidante)」は、大きな話題となった。

ケスラー編集長は、「ファクトチェッキングは、ジャーナリズムの複数の領域の中で、最近最も脚光を浴びている分野だ」とし、「全世界に私たちのようなファクトチェッキング機関が約150カ所ある」と主張した。現在、「ファクトチェッカー」は、ドナルド・トランプ米大統領のスピーチ、記者会見、ツイッターなどを集中的に検証する。ケスラー編集長は、「トランプ大統領はワシントンポストのファクトチェッキングについて10回以上も公に不満を示したが、気にしない」と語った。

事実関係が不明または疑わしい資料が、常連の検証対象だ。代表的例は、「メキシコに旅行に行ったり、移住した女性の60%が性的暴行を受けた経験がある」というアムネスティ・インターナショナル(AI)の最近の報告書。「ファクトチェッカー」がこの報告書を検証した結果、なんと21年前の1998年、グアテマラの小さな教会で出版した本を引用して作成された資料であることが明らかになった。さらに、その本の正確なフレーズは、「メキシコに旅行や移住した60%の女性が性的暴行、セクハラ、メキシコで(性的関係の)恋愛をした経験がある」だった。AIのように有名な機関でさえ、事実関係をきちんと検証せず、報告書を作成したことが明らかになった瞬間だった。

同じ脈絡で、彼は、情報の量が急速に増えたうえ、ソーシャルメディアなどで確認されていない事実が急速に広がっている現実を考えれば、ファクトチェッキングに関する読者の態度も変わるべきだと要求した。ケスラー編集長は、「引用と再引用が繰り返され、誤った情報が流通することが多い」とし、「自分が読んだり見たりする内容については、常に疑問を持たなければならない」と強調した。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com