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金平一氏、保衛部の要員が密着監視

Posted February. 23, 2017 08:55,   

Updated February. 23, 2017 08:59

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の次の暗殺ターゲットが、叔父の金平一(キム・ピョンイル)駐チェコ北朝鮮大使になるという韓国内外のメディアの報道が相次ぎ、チェコ政府が頭を抱えている。

ある外交当局者は21日、「マレーシア政府が(自国の国際空港で)金正男(キム・ジョンナム)氏毒殺事件が発生して非常に手を焼いているのを見て、チェコ政府は少なからず神経を使っているようだ」とし、「共産国家だったので公安機関の力が強いチェコ政府は最近、金平一氏の行動に神経を尖らせている」と伝えた。チェコ当局は、金平一氏が外部の約束などで外出する度に情報を収集して周辺の動きを点検しているという。

金平一氏は2015年1月、チェコのゼマン大統領から信任状を受けた直後から外出せず家にいて、外部活動はほとんどしないという。外交当局者は、「チェコにいる海外大使の中で金平一氏に会った人が見当たらないほどだ」とし、「官邸と大使館だけを行き来し、静かに過ごしているようだ」と伝えた。過去、共産国家同盟だったチェコと北朝鮮は、今は形式的な関係を維持しているだけで、北朝鮮労働者や海外同胞もいないという。

メディアでは、金平一氏の身が危険だという警告が相次いでいる。21日、香港のネットメディア「香港01」は、時事評論家の李幼岐氏のコラムを通じて、「金平一氏の血筋は北朝鮮の伝統観念の『小枝』だとし、「正妻でない夫人との間に生まれた金平一氏と金正男委員長は類似点がある」とし、次のターゲットになる可能性が高いと報じた。金平一氏は、金日成(キム・イルソン)主席の後妻である金聖愛(キム・ソンエ)の息子で、金正日(キム・ジョンイル)総書記との権力継承争いで押し出された後、38年間海外で滞在している。金正男氏の生母の成蕙琳(ソン・ヘリム)氏は、金総書記と正式に結婚しなかった。

 

チェコのあるネットメディアは16日、チェコ内の韓半島専門家の言葉を借りて、「プラハにいる金平一氏は亡命政府を作る潜在力があるが、まもなく死を迎える恐れもある」と報じた。産経新聞は17日、「『北朝鮮亡命政府』金平一擁立の声高まる」という内容のビラ風船が北朝鮮に飛ばされたと伝えた。

実際、北朝鮮亡命政府の構成を準備中の国際脱北民連帯は、金平一氏と接触を試みたという。その過程で参加したある要人は、「保衛部出身が金平一氏の周辺を集中監視しており、接触が容易ではない」とし、「金平一氏は家族に対する身の問題を心配し、政治に特に関心がないものと認識している」と話した。金平一氏は現在、夫人と共にチェコにおり一男一女を設けたが、子供が一緒に居住しているかどうかは確認されていない。

金日成主席に似た顔つきと温和な性格の金平一氏を、金正恩委員長が潜在的な脅威と考える素地は十分だ。ただ、3代世襲に対する不満を訴えてきた金正男氏とは違って、金平一氏は、ブルガリア、ハンガリー、フィンランド、ポーランド大使を経た正式な大使であるうえ、体制について発言したこともなく、金正男とは違うという分析もある。

海外に出ている大使は身に脅威が予想される場合、赴任国に保護を要請できる。しかし、このような要請がなければ金平一氏を保護することもできず、チェコ政府の悩みは深まっている。



董正民 ditto@donga.com