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いつ頃宇宙を理解することができるのだろうか

いつ頃宇宙を理解することができるのだろうか

Posted March. 28, 2020 08:10,   

Updated March. 28, 2020 08:10

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「科学が芸術のようにその使命を完全に遂行するには、大衆が科学の成就を表面的な内容だけでなく、もっと深い意味まで理解しなければならない」

1939年、米ニューヨークの世界博覧会の開幕式で、アインシュタインが言ったこの言葉を本の著者、アン・ドルーヤン氏と彼女の夫のカール・セーガン(1934~1996)氏ほど実践した科学者はいないだろう。セーガン氏は1980年、独歩的な科学書籍『コスモス』と同名のTVドキュメンタリーで、科学と大衆の間の壁を取り払った。当時、セーガン氏のそばで天文学者スティーブン・ソーター氏とともにドキュメンタリーのシナリオを書いたドルーヤン氏は、2014年に「コスモス:スペースタイム・オデッセイ」という続編ドキュメンタリーを制作し、『コスモス』出版40周年を迎える今年、同書を出版した。

『コスモス』が「宇宙を理解するという熱望」が込められたセーガン氏の大きなメッセージを叙事詩のように示したとすれば、ドルーヤン氏の本は、「私たち自身と私たちが属するもっと大きな自然を理解することはまだ遠い」という謙遜のもと、去る40年間の科学的成果を積み重ねて宇宙と生命、過去と未来そして人間の話を繊細に解きほぐす。

 

「人類が未来のために農業を発明した話」から「生命が不可能に見える苦難を勝ち抜いた話」、「科学のおかげで中心になりたかった幼稚な希望を取り払った話」、「他の生命体にも意識があるということを悟った話」、「ついに宇宙の大海原に進出した話」などが13の章に含まれた。ユーリ・コンドラチュク、カール・フォン・フリッシュ、ニコライ・ヴァヴィロフといったあまり知られていない科学者の話が加わり、ノンフィクションのように面白い。

著者は、「数兆個の他の世界の1つにすぎない青い点」の上の存在ということを知った人類が、今はその地球に大災害を起こしていると警告する。しかし、科学の善意を1つの信念体系で内面化し、後世に責任感を持つなら、希望はあると強調する。

正確な説明と共に適材適所に配置された200枚にのぼる写真、絵、想像図を一瞥するだけでもさらに本一冊を読んだような満足感を与える。


閔東龍 mindy@donga.com