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中国EVメーカーのCEO「韓国は5Gモバイル通信のリーディング国」

中国EVメーカーのCEO「韓国は5Gモバイル通信のリーディング国」

Posted January. 14, 2020 07:58,   

Updated January. 14, 2020 07:58

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「もしアップルが車を作るなら、どのように作るだろうか?」

2017年に香港で会った元テスラの副社長とBMWの副総裁、日産の専務取締役の3人は、このようなテーマで熱い討論を繰り広げた。それぞれグローバル自動車メーカーの電装事業部門で20年間、海千山千を経験した彼らは、自動車市場にも「アイフォーン・モーメント」が来ていることを直感した。フィーチャーフォン中心の携帯電話市場にアイフォーンが登場したことで業の定義が変わったように、自動車市場も同じことになるだろうという予感だった。来年から韓国の全羅北道群山(チョンラブクド・クンサン)工場で5万台の生産を控えている「チャイナテスラ」と呼ばれる電気自動車メーカー・バイトンが誕生した瞬間だった。

●バイトン、チャイナテスラの誕生

中国の電気自動車(EV)メーカー「バイトン」の共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であるダニエル・キルヒャートと8日(現地時間)、米ラスベガスで開かれた世界最大の家電・情報技術(IT)見本市「CES 2020」で会った。日産出身のキルヒャート氏は、BMW出身のカーステン・ブライトフェルド、テスラの出身スティーブン・イブサンとバイトンを立ち上げた。

キルヒャート氏は、「バイトンを設立する際、我々は皆『車』ではなく『デバイス』に拘っていた。シリコンバレーと欧州、中国の遺伝子を全て合わせて、テスラに対抗するだけのブランドを作ろうと決心した」と話した。バイトンはチャイナテスラと呼ばれているが、ドイツ人のCEOをはじめ、重要人材はドイツや米国国籍の技術者である。△南京(エンジニア・製造)、△上海(マーケティング・営業)、△香港(投資)、△サンタクララ(ソフトウェア・自律走行)、△ミュンヘン(デザイン)など、全世界に本部が散らばっているグローバル企業だ。

同日、現場に展示されていたバイトンの主力モデル・エムバイト(M-Byte)は、ガラス材質の屋根と内部前面の48インチの曲面スクリーン、レベル4の自律走行(非常時のみ運転者が介入する完全自律走行)を備えた未来型車だった。キルヒャートCEOは、「車にいる時間は、これまでは時間の無駄だった。私たちはこれを家庭生活や会社業務、社会活動の拠点として変えていきたいと思う」と語った。

キルヒャート氏の言葉を証明するように、運転席と助手席の区別がなく、長く続くエムバイトのスクリーンは、計器盤というよりは、ホームシアターの画面に近いように見えた。走行ルートと天気予報、スケジュールなどの各種情報や映像コンテンツ視聴など、車内活動のベースとなるスクリーンだった。キルヒャートCEOは、「私たちのスクリーンは、サイズが大きいだけでなく、運転席との距離も遠い。現存する車両本体には合わない。私たちはユーザーの経験(UX)を先に設計後、これに合わせて車両本体をその次に設計した」と語った。

●韓国は5Gリーディング国、コネクテッドカーで成功したい

バイトンは、韓国GMが離れた群山工場で、来年半ばに5万台規模でエムバイトの量産を開始する。グローバル市場基準で少なくとも4万5000ドル(約5200万ウォン)で価格が策定され、「コストパフォーマンス」ではテスラを上回っているという評価を受ける。同様の価格帯のテスラモデル3(5369万ウォン)は、緩衝時の走行距離が352キロであるが、バイトンは約459キロと、さらに100キロ走ることができる。

韓国市場を初期テストベッドに決めた理由を尋ねると、キルヒャートCEOは、「10年以内に自律走行時代は来るだろう。韓国は5世代(5G)モバイル通信のリーディング国であり、私たちはそこで単純な電気自動車ではなく、コネクテッドカーで成功したいと考えている」と述べた。また、「私たちの成功ストーリーを基に、韓国の5Gを、私たちが世界市場に持って行くこともできるだろう」と付け加えた。

韓国企業の中では、SKテレコムが第1号のパートナーとして乗り出した。国内で発売されるエムバイトモデルに、Tマップなど国内利用者に馴染みのサービスを搭載してマーケティングにも一緒に乗り出す計画だ。キルヒャートCEOは、「CESで会った朴正浩(パク・ジョンホ)SKテレコム社長と、車はもはや移動手段ではなくデバイスだという認識を共有した」と語った。


郭道英 now@donga.com