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哲学も共有する演劇界の名コンビ、「演劇は社会的メッセージが込めなければ」

哲学も共有する演劇界の名コンビ、「演劇は社会的メッセージが込めなければ」

Posted November. 14, 2019 09:08,   

Updated November. 14, 2019 09:08

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「君はヘルマン(夫)によく似ている。君も不幸になるだろう」

一人の女性が、初めて見た少年に呪い混じりの言葉を吐き出す。作品を通して同じ舞台にいるが、顔を見合わすことのできなかった女性と少年は、最後の瞬間に至ってはじめてお互いの目を見つめ会う。「すでに君をよく知っている」というように淡々とした言い方だが、拮抗していた緊張感がこの瞬間爆発する。

演劇「最後の列の少年」でこれを演じた二人の俳優は、「演劇界の相性のいい姉弟」ウ・ミファ(45)とチョン・バクチャン(37)だ。最近、ソウル芸術の殿堂で会った彼らは、「この短くて強烈なシーンを心待ちにしている」と話した。

作品は、現実とフィクションが混在した文章を書く少年「クラウディオ」(チョン・バクチャン、アン・チャンヒョン)と、少年の作文の実力に固執しますます危険な作文を要求する教師「ヘルマン」(パク・ユンヒ)、そして彼らを危なげに眺める妻「フアナ」(ウ・ミファ)の物語だ。劇的な事件はなくても、台詞や演劇的想像力で妙なスリラーを実現した。有名脚本家フアン・マヨルガの戯曲で、ソン・ウォンジョン演出家が2年ぶりに再び舞台に上げた。ウ・ミファが、「作品は私たちの人生の中の虚構と現実の境界を問う」と言うと、チョン・クチャンは「その問い端からおぞましさを感じた」と語った。

二人の縁は、2008年から始まった。3日間のワークショップ公演で、恋人役で初めて出会った。ウ・ミファは、「赤ちゃんのようだったチョン・バクチャン氏が、いつのまにか頼れるほど内面のしっかりした仲間になった。より成熟した俳優になったようだ」と笑った。チョン・バクチャンは、「最初は大学路(テハクロ)で有名な先輩と呼吸を合わせるのにとても震えた。最近では練習が終わると、お酒が飲みたいときに、素早くそれを気づいて飲み会に連れていってもらえる良い先輩だ」と相槌打った。

その後も二人は、演劇「馬の墓」「アーユーオッケー」「サンシャインの戦士たち」「ナトシム」で苦楽を共にしてきた。彼らは、「演劇は社会的メッセージを込めなければならない」という哲学を共有してきた。長い間同じ作品で汗を流すことができた理由だ。ウ・ミファは、「近現代史の苦しみから演劇人も自由でないから、いつも一緒に考えなければならない」と答えた。tvNのドラマ「60日の指定生存者」に出演して存在感を表わしたチョン・バクチャンは、「社会的惨事を盛り込んだ物語なので、俳優として良い機会だった」と答えた。

「作品が毎回新しい」と議論を続けていた二人は、インタビュー後「散歩に行ってくる」と席を移した。「演劇の一番最後の列」にまで到達しようとする人たちのおかげで、今日も客席では「名演技」という賛辞が続いている。

12月1日まで、ソウル芸術の殿堂の自由小劇場。2万〜5万ウォン。14歳以上観覧可。


キム・ギユン記者 pep@donga.com