Go to contents

慶州市チョクセム地区の44号の墓から祭祀用土器の破片出土

慶州市チョクセム地区の44号の墓から祭祀用土器の破片出土

Posted October. 17, 2019 08:24,   

Updated October. 17, 2019 08:24

한국어

馬に乗った主人公が、犬のように見える動物を連れてどこかに行く。弓を持った人たちは、鹿など、複数の動物に向かって矢を放とうとしている。別の人物たちは、踊りを踊るように騎馬行列に続く。1500年前の墓の主人公の生前の活動の様子を描いたのだろうか、来世で榮華を祈願した絵だろうか。

慶尚北道慶州市皇吾洞(キョンサンブクド・キョンジュシ・ファンオドン)チョクセム地区の44号墓から、このような行列図を刻んだ5世紀の長頸壺(首の長い土器壺)が出土した。イ・ジョンフン国立慶州文化財研究所長は、「行列という大きなテーマをもとに騎馬、舞踊、狩猟する人々が複合的に描かれた土器が発見されたのは初めてだ」とし、「内容の構成が豊富で、絵画性に優れた貴重な資料だ」と16日明らかにした。

行列図が刻まれた土器は、墓の周りの護石の北側の砂利を敷いた層から、壊れた状態でいくつかの破片が出てきた。文様は大きく4段で、上の1、2段目と一番下段には幾何学的文様が繰り返され、3段目に人物や鹿、イノシシ、馬、犬などの動物を表現した。文様と絵は、櫛のような道具でとかしたように刻まれていた。祭祀用土器と見られ、元の高さは約40センチだったと推定される。

特に行列図のテーマが、舞踊塚の狩猟図と舞踊図、安岳(アンアク)3号墳の行列図をはじめとする高句麗の古墳壁画に似ているため注目される。馬の頭部のたてがみをまとめて角のように描写した点は、安岳3号墳の行列図と似ている。人物が腕を並べた姿は、舞踊塚と似ている。この延長線上で、行列の主人公と一緒にいる犬は、高句麗壁画のように墓を守る役割を担ったものと解釈される。

今回の土器は、新羅が5世紀初めに関係が密接した高句麗の文化的影響を受けた証拠として解釈される。5世紀前の時代に風景画に近い行列図が描かれた新羅土器はなかった。チョン・ホテ蔚山(ウルサン)大学歴史文化学科教授は、「しかし、高句麗と中国の葬儀関連図では、狩猟と行列が一般的なテーマだ」とし、「土器に現れた絵画的要素は、西暦400年以降、新羅が高句麗全盛期の文化から圧倒的な影響を受けたと見られる」と語った。

チョクセム地区44号墓からは、馬模様が描かれた鉢形器臺(高杯を拡大した形の器の台座)の破片2点も出土した。馬のたてがみ、蹄、関節など馬2頭の姿が描かれている。胴の格子柄は馬の鎧を表現したものと見られる。

このほか、護石の周りから大壺9点をはじめとする祭祀遺物110点余りが出土した。大壺は護石に沿って一定の間隔で配置され、その内外で高杯、蓋板、土鈴などの小型土器を発見した。

チョクセム地区の44号墓は、直径が約30メートルの中間サイズの積石木槨墓だ。2014年に発掘を開始した。研究所は来年まで、石を積み上げた積石部を建築的、構造工学的な観点から精査して、遺体と副葬品を置く埋蔵主体部を発掘する方針だ。チョクセム地区には、4~6世紀の新羅王族と貴族の墓1100基が集まっている。


趙鍾燁 jjj@donga.com