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盗難から25年ぶりに戻ってきた「宝物」

盗難から25年ぶりに戻ってきた「宝物」

Posted May. 30, 2019 08:56,   

Updated May. 30, 2019 08:56

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25年間、窃盗犯の手に渡って行方不明だった「宝物」が戻ってきた。

文化財庁事犯取締チームは29日、ソウル地方警察庁の知能犯罪捜査隊との捜査協力で、宝物第1008号「萬国全図」をはじめ譲寧大君の親筆「崇礼門」木版など盗難文化財123点を回収したことを明らかにした。さらに警察は、萬国全図と古書籍116冊を盗んだA容疑者(50)と崇礼門の扁額や「後赤壁賦」の木版など6点を購入して隠していたB容疑者(70)を文化財保護法違反の容疑で不拘束立件した。

萬国全図は、1661年に汝弼(ヨピル)・朴廷薛(パク・ジョンソル、1612~?)が、彩色筆写した世界地図だ。国内に現存する西洋式の世界地図の中で最も早い時期に制作されたとされている。縦横133×71.5センチの大きさで、イタリア人宣教師アレニ(1582~1649)が1623年に編纂した漢文版の携帯用世界地理書「職方外紀」に掲載された萬国全図を拡大して筆写された。咸陽朴氏正郞公派の門中で保管していた典籍類の筆写本116冊と共に1994年頃に盗難に遭った。

警察によると、A容疑者はこの文化財を昨年8月に入手した後、自身が経営するレストランの壁紙の内側に萬国全図を、古書籍は家に隠していた。情報を入手した文化財庁と警察は、A容疑者のレストランと住居を家宅捜索し、文化財を回収した。

B容疑者は2008年10月、全羅南道潭陽(チョンラナムド・タムヤン)の譲寧大君の子孫の門中で盗難に遭った「崇礼門」木版2点と「後赤壁賦」木版4点を2013年頃に購入した後、自身のビニールハウスに保管していた。国宝第1号の崇礼門にかかった木版は、譲寧大君の親筆を基に制作したとされている。今回回収した崇礼門の木版は、譲寧大君を祀った祠堂であるソウル、銅雀区(トンジャクク)の至徳祠にあった木版を模本として1827年に再制作されたという。今は、至徳祠に崇礼門の木版はなく、拓本だけが残っており、現存する唯一の崇礼門の木版として文化財的価値が高い。

文化財庁事犯取締チーム長のハン・サンジン氏は、「文化財犯罪の公訴時効は10年だが、2007年に『善意取得排除条項』が新設され、実質的に公訴時効がない」とし、「今後も警察との協力を強化し、盗難文化財を回収するために最後まで追跡する」と明らかにした。


ユ・ウォンモ記者 キム・ソヨン記者 onemore@donga.com · ksy@donga.com