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映画館公開後にVOD市場へ?コロナが揺るがした映画の流通方式

映画館公開後にVOD市場へ?コロナが揺るがした映画の流通方式

Posted April. 07, 2020 08:03,   

Updated April. 07, 2020 08:03

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新型コロナウイルス感染症により、映画産業のバリューチェーン(価値連鎖)が崩れている。投資-製作-配給-劇場上映-付加市場(VODなど)へと繋がっていた映画の生産・流通経路は、劇場観客数の急落、オンラインビデオサービス(OTT)市場の活性化により、激変期を迎えたからだ。

韓国国内では、映画「狩りの時間」が劇場公開予定をキャンセルして、今月10日にネットフリックスで独占公開すると発表した。9日劇場で公開される映画「空手」は、インターネットテレビ(IPTV)を通じて口コミが出ると、韓国映画が劇場で「逆走」した初事例といえる。

ドリームワークスのアニメ「トロールズ ワールドツアー」は、北米では今月10日、韓国内では29日に劇場とVODで同時公開される。ディズニーは今年の夏頃、ディズニーのOTTプラットフォームであるディズニープラスで公開する予定だった「アナと雪の女王2」のオンラインサービスを先月中旬から公開した。劇場だけでなく、ディズニーランドなど、新型コロナウイルスでオフラインでのビジネスが被った打撃を補うためだ。

このような流通方式の多角化は、新型コロナの局面で劇場公開だけでは収益を確保できなくなったからだ。多人数利用施設である劇場の一日平均観客数は、今月に入って3万人台に墜落し、今月の最初の週の週末(4、5日)の観客は8万人をかろうじて超えた。

一方、自宅でOTTで映画やドラマを見るひとたちは増えている。ストリーミングサービス「ワッチャ」の利用者の全体視聴時間は、韓国内初の新型コロナウイルス感染者が現れた1月第3週の週末と比較すれば、3月末基準で51.3%増加した。製作費の回収が不透明な状況で、巨額の製作費が投入された映画は、公開を相次いで先送っている。事前製作が活性化されたドラマの場合、最大6ヶ月前から撮影に突入したため、今年のラインナップに大きな変動はないが、新型コロナウイルスの長期化に備えている。

劇場の売上は、韓国映画産業全体売上の約80%を占めている。観客が劇場でチケット価格を払えば、映画発展基金を除いた残りを劇場や配給会社、投資会社と制作会社などが分け合う。劇場の観客が減り、映画産業に属する企業の資金の流れが連続的に打撃を受ける構造となっている。

韓国映画プロデューサー組合のチェ・ジョンファ代表は、「撮影を停止すれば、一日に数千万ウォンの損害を被る。だからといって、まったく作品制作を中断してしまうと、契約したスタッフが被害を受け、製作会社は損害を抱えるジレンマの状況だ」と語った。続いて「毎月一定の売り上げが発生する劇場の損害は目に見えるが、映画作品単位で動く製作会社、輸入会社、マーケティング会社などの損害は、一般企業のように定量化できないのが問題だ」と付け加えた。

新型コロナウイルスによって、劇場が営業を中止した米国も状況が似ている。IMAXとシネマクなどの米映画関連株の株価は、年明けに比べて50%以上暴落した。クリストファー・ノーラン監督は先月、ワシントンポストへの投稿文で、1924年の設立以来、初めて従業員を解雇せざるを得なかった米ミズーリの劇場事例を挙げて、劇場への支援を訴えた。

しかし、新型コロナウイルスの脅威が映画の流通形態に変化を与えることはできても、「劇場」という空間を根本的に脅かすことはできないという意見もある。ノーラン監督は、「結束の時間がさらに重要になり、これは新しい映画を作りだすだろう」と予想した。メディア分析会社・コムスコアのポール・ダーガラベディアン首席アナリストは、「新型コロナウイルスの状況が安定したら、世間の注目を集める大作映画を劇場で見たくなる需要があるだろう」と予想した。


李?? baltika7@donga.com · 金哉希 jetti@donga.com