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王冠の重さ

Posted February. 27, 2020 08:06,   

Updated February. 27, 2020 08:06

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「王冠をかぶろうとする者はその重さに耐えよ」。2013年に放送された大人気のドラマ「相続者たち」のサブタイトルとして使われて有名になった言葉だ。元々この言葉は、シェークスピアの戯曲「ヘンリー4世」に出てくるセリフに由来した。王冠をかぶった者は、権力と名誉を得るだけに、重い責任を持たなければならないという意味だ。

今年で即位68周年を迎えたエリザベス2世は、英史上最も長い権力の座を守った君主である。メディアに映る女王は派手でありながら、エレガントで品格と威厳のある姿だが、ルシアン・フロイドが描いた女王は全くそうではない。寂しい表情としわの顔は、孤独な通常の高齢者の姿と変わらず、頭に被った王冠は特に大きく、重く見える。英国の最も偉大な肖像画と呼ばれるフロイトは、生涯、家族や友人など周りの平凡な人々を描いたが、生涯たった一度、例外的に権力者を描いた。この肖像画は、画家が先に提案し、女王が受け入れて行われた。縦が20センチしかない小さな肖像画のために、女王は19ヶ月間モデルとして立たなければならなかった。当時79歳だった画家は、75歳の女王を描く際、最初は王冠を描かなかった。派手な権力者の姿ではなく、一人の人間としての君主の姿を描きたかったからだ。ところが、美化しない女王の肖像は、女王らしくなかった。やむを得ず、画家は王冠を描きいれるために、キャンバスを上に3.5センチ延長した。

完成した絵が公開されると、英国民は半分に分かれた。女王を老けて醜く、滑稽に描いたと怒る人が多かった。ひどい場合は、画家をロンドン塔に閉じ込めなければならないという声まで出た。一方、高齢の君主のイメージを歯に衣を着せずに表現し、女王の心理を見抜いた肖像だという賛辞もあふれた。個人的な感情を表さないことで有名な女王は、いかなる反応も見せず、絵は静かに王室コレクションに所蔵された。王室の首長として、女王が背負った苦悩と責任の重さを知るがために、画家は彼女の冠を特に大きく重く描いたのかもしれない。

美術評論家