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ターナーに勝ったプードル

Posted February. 20, 2020 08:24,   

Updated February. 20, 2020 08:24

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一群の犬公が、机がある部屋に集まっている。赤色の安楽椅子に座った白いプードルは、数匹の犬に囲まれている。目の前の本の上に足をのせたまま遠くを見つめるプードルの目は、まるで深く思いにふけった人を連想させる。

この絵を描いたエドウィン・ランドシーアは、13歳の時、英国王立アカデミーに展示されるほどの美術の神童だった。24歳でアカデミー会員に選出され、5年後には教授になった。24歳で準会員を経て32歳で教授になったジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーよりはやい成功だった。ところでこの動物画は、風景画家として当時最高の名声を享受したターナーに屈辱を与えた。1840年、王立アカデミー展示会には1200点を超える作品が出品されたが、当時65歳の巨匠ターナーと38歳の若き画家ランドシーアの絵に注目が集まった。絵を見た評論家の反応は、180度交錯した。ターナーの出品作4点には「奴隷船」も含まれたが、台風が襲う海の真ん中で金のために船から投げられる奴隷を描いた絵だった。重苦しい主題にもかかわらず、形態も明確でなく描いたターナーの絵を見た人は、彼を精神異常者かもうろくした画家だと非難した。一方、ランドシーアの絵には、「犬の表情をよく表わした傑作」であり絵の技術、アイディア、色彩、構成、細部の描写など全てが完璧だと賛辞を送った。特に、非常に子犬が好きだったビクトリア女王には完全に好みの絵だった。ランドシーアはすぐに女王が最も寵愛する画家になり、10年後にはナイトの爵位まで受けた。

事実、この絵は、純粋な動物の肖像画ではない。英国の法曹界に対する風刺画だ。赤い椅子に座ったプードルは、当時最高裁判事だったヘンリー・ブロアムを象徴する。彼は奴隷廃止法と選挙法改正などを主導した進歩的な政治家だったが、いつも反対派と闘わなければならなかった。画家は擬人化を通じてひとつの法案を通過させることがどれほど重要で難しいことなのかを隠喩的に機転をきかせて表現しているのだ。

美術評論家