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習近平主席を震わせる「武漢のせき」…経済とリーダーシップに危機

習近平主席を震わせる「武漢のせき」…経済とリーダーシップに危機

Posted January. 29, 2020 07:19,   

Updated January. 29, 2020 07:20

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新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、中国の習近平国家主席の指導力が少なからぬダメージを受けている。中国政府は危機管理能力で問題点を露呈し、経済にも影響が及ぶとみられている。米紙ニューヨーク・タイムズは、「習氏が数年ぶりに最も深刻な政治的危機を迎えた」と指摘した。

● 「習近平リーダーシップ」に批判

習氏は、昨年12月30日に武漢市当局が新型肺炎の発病の事実を明らかにしたにもかかわらず、25日が経った今月25日に初めて新型肺炎への対応を公式に言及した。

 

政府の腰の引けた対応に不満が高まると、27日に李克強首相は習氏の指示で肺炎の震源地である湖北省武漢に向かった。李氏は病院やマートなど訪れ、医療陣や住民を激励した。臨時隔離病棟の建設現場では、労働者に「困難があれば言いなさい。解決する」と話した。現場に集まった人々は「ありません!」と叫んだ。しかし、現地メディアによると、前日まで彼らはマスクや医療用手袋などの物資の不足を訴えていた。中国のSNS「ウェイボー」(Weibo、中国語表記「微博」)には、「各地に助けを求めていたのに、突然発言を変えた」、「実に中国的な返答」という嘲笑が続いた。

政府の報告および意思決定システムにも相当な問題があることが分かった。武漢の周先旺市長は官営中国中央テレビに、「私たちも情報公開に対して不満がある。地方政府である私たちは、関連情報と権限を得なければ、情報を公開することはできない」と不満を吐露した。

中国の医療システムの弱点も露呈した。同紙によると、ある武漢住民(51)は発熱と呼吸困難の症状があったが、武漢市の病院のベッド不足で病院を転々とし、半月以上経った26日に入院した。妻は、「(患者を)あちこちボールを投げるように扱う」と不満を述べた。湖北省副書記兼武漢市西書記の馬国強氏は26日夜、記者会見で、武漢市の病棟が極度の過負荷状態であることを認めた。そして、「この数日間、毎日1万5千人の発熱患者が病院に来て、長い列をつくる問題が発生した」と明らかにした。中国は来月まで武漢市にベッド1千個、1300個規模の臨時隔離病棟2ヵ所を完工する計画だ。

● 「経済成長率4%記録するかも」

新型肺炎の拡散にともなう労働日数の減少、観光萎縮などが長期化すれば、政府の目標値である成長率6%を死守することは難しくなる。香港のサウスチャイナ・モーニング・ポストは、米国の中国研究機関プレナムを引用して、「中国の第1四半期の成長率が4%台を記録する可能性がある」と見通した。

中国は春節の連休を来月2日まで3日延長したが、新型肺炎が急増し、さらに延長する可能性が高い。金融都市上海は、企業に来月9日まで業務を再開しないよう通知した。ロイター通信は、上海市の今回の措置で、この地域に工場を所有したり、現地で合弁会社を運営しているテスラ、ゼネラル・モータース(GM)、フォルクスワーゲンが被害を受けだろうと伝えた。

製造業の中心地である蘇州も、来月8日正午まで業務を停止するよう企業に求めた。情報技術(IT)企業のテンセントや中国最大の電子商取引企業「アリババ」などは、職員に14日間の在宅勤務を通知したという。紫禁城や万里の長城、上海ディズニーランドなど主な観光地も一時閉鎖された。春節シーズンがピークの映画の公開も相次いで延期になった。中国バスケットボールリーグ(CBA)も無期限の中止になった。北京は春節の連休が終わっても、湖北省など地方から帰ってきた市民に14日間、自宅から外出しないよう勧告した。

一部の大企業は、医療陣を支援するためのファンドづくりに立ち上がった。中国のネット検索最大手の百度(バイドゥ)は27日、新型肺炎の治療のための研究開発などを支援するために3億元(約506億ウォン)にのぼる基金を作ると明らかにした。食品配達アプリ「メイタン」も、医療陣を支援するために2億元(約337億ウォン)規模の基金を作る。さらに、武漢市内の医療陣に毎日1千回の無料テイクアウト食事提供権と湖北省内の医療陣に30万台の共用自転車の無料利用権を約束した。


北京=ユン・ワンジュン特派員 チョ・ユラ記者 zeitung@donga.com · jyr0101@donga.com