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春節の前に中国で「SARS恐怖」再現なるか

春節の前に中国で「SARS恐怖」再現なるか

Posted January. 21, 2020 08:45,   

Updated January. 21, 2020 08:45

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中国内で新型コロナウイルスによる「武漢肺炎」患者の数が爆発的に増え、「中国の防疫体系が破られたのではないか」と懸念されている。中国のネットユーザーは、当局の隠蔽、遅い対応の疑いまで提起した。2002~03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)発生初期、中国当局が感染の事実を隠したため初期対応に失敗し、中国と香港だけで648人が命を失った前例が繰り返されるのではないかと懸念する声も出ている。

武漢肺炎は、感染規模と範囲で手のほどこしようもなく大きくなる様相だ。発源地である湖北省武漢市で18、19日の2日間に感染が確認された患者は136人に増え、既存患者の3倍以上に増加した。また、北京南部大興区で2人、広東省深圳市で1人の感染患者が発生し、深圳市で8人、浙江省で5人の感染疑いの患者が出て、中国全域に広がる兆しを見せている。「感染力が弱く、人に感染する可能性が低い」と強調してきた中国当局の発表に真っ向から反する。

大興区には昨年運営を始めた北京新空港がある。北京市当局は、感染患者が武漢市に旅行したと明らかにしたが、いつどのような経路で感染したのか公開しなかった。上海市当局は、「一部の疑い患者に対して、感染防止措置を取った」と明らかにしたが、感染疑いの患者の数は公開しなかった。

深圳市当局は、感染患者1人が武漢で親戚に会った66歳の男性だと明らかにした。しかし、インド通信社のPTIは、深圳市の国際学校教師のインド人、プリティ・マヘシュワリさん(45・女)が感染と診断され、深圳市病院で隔離治療中だと報じた。同報道が事実なら、中国当局がインド人患者発生の事実を隠したことになる。さらにこの女性は武漢に行ったことがないとPTIは伝えた。

 

これまで地方当局の次元で対応してきた中国は19日、国家衛生健康委員会が予防対策を発表し、中国全域に実務対応チームを派遣した。中国当局は、「ウイルス感染の源泉を探せなかったし、感染経路も完全に把握できなかった」と明らかにした。韓国政府当局者は、「中国当局が新たな調査方法を適用したところ、武漢で感染患者の数が大幅に増えたという」と話した。特に、中国は春節(中国の正月)に前後して延べ30億人が大移動すると予想され、手のほどこしようのない大流行になる可能性も排除できない。

 

中国のネットユーザーの不信も拡散している。あるユーザーは、中国のソーシャル・メディア「微博(ウェイボー)」に「感染力が弱いと言っていたが、これまでに急増した。また騙して隠すのか」と書いた。「愛国ウイルスという言葉は、もう二度と出てこないだろう」と皮肉る書き込みもあった。


尹完準 zeitung@donga.com