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予算の牽制どころか10兆増やして分け合う貪欲国会

予算の牽制どころか10兆増やして分け合う貪欲国会

Posted December. 12, 2019 09:09,   

Updated December. 12, 2019 09:09

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今年より9.3%増の513兆規模の来年の予算案が10日夜、国会を通過した。文在寅(ムン・ジェイン)政府が初めて編成した2018年の予算428兆ウォンと比較すると、2年連続9%台の増加となり、何と85兆ウォン増えた超大型予算だ。にもかかわらず、国会審議で1兆2千億ウォンが削減される水準に止まった。昨年12月、今年の予算案が470兆規模で確定した時、削減額5兆2千億ウォンはあまりにも少ないという批判を受けたが、その水準にもはるかに及ばない。総選挙がある年の予算はばらまきが多く、例年より多くの削減が必要だが、削減するふりを見せただけだった。

議員らは、ある予算は増やし、ない予算は作った。与党「共に民主党」の李海チャン(イ・ヘチャン)代表の選挙区である世宗(セジョン)市地域の交通安全環境改善事業は、政府案の9億5千万ウォンよりも5億1200万ウォン増加した。国会予算決算特別委員長であり野党「自由韓国党」政策委議長の金在原(キム・ジェウォン)議員の選挙区の亀尾(クミ)、軍威(グンウィ)、義城(ウィソン)地域の国道建設事業には政府案170億ウォンより50億ウォン多い予算が配分された。野党「民主平和党」の趙培淑(チョ・べスク)院内代表は、政府案にはなかった全羅北道益山(チョンブク・イクサン)の弥勒寺址観光地の造成予算7億2500万ウォンの配分を選挙区のために取りつけた。国会はこのような形で本来の政府計画より何と10兆ウォン増やし、1兆2千億ウォンしか削減しなかったのだ。

しかも、予算協議が不透明に行われ、与党と群小野党間でどのように分け合ったのか全貌が明らかになっていない。予算案処理が順調になされた年はほぼないが、それでも例年、与野党が予算決算委で紆余曲折の末、合意した案が本会議に送られた。予算決算委は、国会の公式機関なので、不十分だが修正の根拠を残す。しかし、今回は、「共に民主党」と「正しい未来党」の党代表、正義党、民主平和党、まだ政党要件を満たしていない代案新党が集まった「4+1協議体」という任意団体が修正した予算案が本会議に送られ、通過するという奇異な事態となった。この協議体は何の資料も残さなかった。分け合った予算は、今後一つずつ調べて没収しなければならない。

国会の任務は政権を牽制することだ。国民の税金を使う予算ではなおさらだ。しかし、牽制と監視どころか、与党は「政権の侍女」役に忠実で、中でも与野党を問わず力のある議員は個別的に利益を得ることに恥知らずな態度を見せた。国民をカモと見なし、どんな批判にも耳を塞ぎ、露骨な貪欲を見せた彼ら1人1人を記憶し、有権者が厳正な審判を下さなければならない。

 


ソン・ピョンイン記者 pisong@donga.com