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米偵察機、連日韓半島に出撃…北朝鮮はミサイル発射用土台を数十ヵ所増設

米偵察機、連日韓半島に出撃…北朝鮮はミサイル発射用土台を数十ヵ所増設

Posted December. 03, 2019 07:38,   

Updated December. 03, 2019 07:38

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北朝鮮のミサイル発射の兆候など北朝鮮に対する監視任務を遂行する米軍偵察機が連日、韓半島で作戦を実施したことが確認され、北朝鮮の追加挑発が差し迫っているという観測が流れている。さらに、北朝鮮が移動発射台(TEL)からミサイルを発射する際に使うコンクリート製の土台を増設していることも分かり、北朝鮮が米朝非核化協議の期限とした年末が近づき、緊張が高まっている。

2日、軍用機追跡サイト「エアクラフト・スポット」によると、米軍特殊偵察機RC-135W(リベットジョイント)1機が同日、首都圏上空を飛行した。この偵察機は、通信・信号情報の収集および分析が主な任務で、北朝鮮全域のミサイルなど発射体の発射準備に関する情報を収集する。このため、北朝鮮が先月28日の超大型放射砲挑発に続き、再び試射を準備するという観測が流れた。

さらに最近になって、米軍偵察機の韓半島での出現が頻繁になり、北朝鮮内の動向が尋常ではないと懸念されている。米軍は先月30日にも戦略偵察機U-2Sを、軍事境界線付近の上空に出撃させ、対北朝鮮監視飛行を実施した。これに先立ち、超大型放射砲挑発があった先月28日にはE-8C(ジョイントスターズ)やEP-3Eなど偵察機2機が、27日にはRC-135Vが出撃した。民間軍用機追跡サイトによって航跡が確認されたものだけでも、最近1週間で米軍偵察機の韓半島出撃が5件にのぼった。

軍関係者は、「米軍偵察機は1ヵ月に数十回、韓半島に出撃し、非公開の作戦を実施する」としつつも、「ただし、今回のように航跡が明らかになるのは異例なので、米国が協議期限を控えて北朝鮮が挑発する意欲を出さないよう圧力をかける狙いがあるものとみられる」と述べた。

北朝鮮がTELを利用したミサイル発射の際に使うコンクリート製の土台を増設しているのも、追加挑発に対する憂慮を高めている。朝日新聞は2日、「北朝鮮が今夏ごろ以降、国内の数十カ所で、ミサイルを移動発射台から撃つ際に使うコンクリート製の土台を増設している」とし、「増設された土台は縦と横がいずれも数十メートルの大きさ。射程が長い大陸間弾道ミサイル(ICBM)を撃つ移動発射台を置くのにも使える規模」と報じた。

これまで北朝鮮は、主に飛行場や高速道路などコンクリートで舗装された場所を選んでミサイルを発射してきた。しかし、野地で移動式発射をする場合、地盤が弱く、発射の衝撃による地盤沈下やミサイルがバランスを失って発射に失敗する可能性が高い。これを防ぐためにコンクリート製の土台を設置するのだ。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究員は、「北朝鮮がコンクリート製の土台を無作為に増設すれば、韓米軍当局としては監視しなければならない地域が増えるため、対北朝鮮監視の空白が生じる恐れがある」と指摘した。

このような情況を総合すると、北朝鮮が年末までに韓米に対し同時に圧力をかけるために、移動発射台を使って追加挑発に出るか、すでに追加挑発の準備を終えたという観測に重きが置かれている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、米朝非核化協議の期限を年末と提示したため、年末までは交渉の局面を壊すICBM発射は自制するとみえる。ただし、米国に警告を与えるために潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や準ICBM 「火星(ファソン)12」(最大射程距離5千キロ)を撃って年末前の終盤の賭けに出る可能性が提起される。

特に北朝鮮が11月30日、安倍晋三首相を名指しして、「本当の弾道ミサイルが何かを遠からず非常に近くで見ることになるだろう」と警告したことから、日本の上空を横切る中距離以上のミサイルを発射するとも見られている。北朝鮮は2017年8月と9月、このような方式で「火星12」の挑発を強行し、日本が非常事態になった。全星勲(チョン・ソンフン)元統一研究院長は、「北朝鮮は、来年の正恩氏の新年の辞の発表で『新しい道』に進むほかない理由を説明し、ICBM挑発を本格化するだろう」とし、「ただし、それまでは米国を直接狙わない水準で挑発の程度を調節するものの、脅威の強度を段階的に上げて米国に圧力をかけるだろう」と指摘した。


孫孝珠 hjson@donga.com