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1党独走が困難になった欧州、極右政党が連立政権「キングメーカー」に

1党独走が困難になった欧州、極右政党が連立政権「キングメーカー」に

Posted November. 16, 2019 08:59,   

Updated November. 16, 2019 08:59

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分離独立を追求する地域が増える中、欧州の主要国の政治地形も中道、左派、右派に分かれ、主要政党に票が流れる形からいくつかの政党に分散する構造に変わりつつある。

カタルーニャの独立が主要懸案のスペインが代表的だ。

今月10日(現地時間)に行われたスペイン総選挙は、4月に続き今年に入って2回目の選挙となった。スペインでは4年間に4度の総選挙が行われた。選挙をしても議席が過半数を占める政党が誕生せず、連立政権を構成しようとしても政党の意見の相違が大きいため、総選挙が繰り返されたのだ。

今回の総選挙で下院350議席のうち120議席を得たものの、過半数(175議席)を獲得できなかった政権与党の中道左派の社会党は、12日に急進左派のポデモスと連立政権を構成することで合意した。数ヵ月間続いた無政府状態を解決するためだ。しかし、依然として他の群小政党の助けが必要だ。ポデモス(35議席)との連立政権で155議席になっても過半数には達しないためだ。

他の欧州国家も状況は同じだ。今年5月に行われたベルギーの総選挙でも、過半数を確保した多数党なく、議席数が同程度の政党が乱立した。その結果、現在も連立政権が構成されていない。昨年9月のスウェーデンの総選挙でも、同じ理由で無政府状態が4ヵ月続き、今年1月に辛うじて連立政権がスタートした。さらに2017年3月のオランダの総選挙では、過半数確保の政党がなく13の政党が乱立し、208日間も無政府状態が続いたが、辛うじて連立政権がスタートした。

英紙ガーディアンは、「政治地形の両極化で、既存の中道左派や中道右派指向の二大政党に票を投じる有権者が減少している」とし、「どの陣営の政党も政府を構成する過半数の議席を確保できない現象が欧州の『ニューノーマル(new normal)』になっている」と伝えた。

問題は、このため大衆迎合主義(ポピュリズム)指向の強い極右政党が連立政権の「キングメーカー」になるとういことだ。今回のスペインの総選挙で第3党になった極右政党ボックス(VOX)をはじめ、イタリアの「五つ星運動」、ドイツの「ドイツのための選択肢」(AfD)などが代表的だ。中道指向の政党が移民政策などで極端な政策を展開する政党と協力しなければならなくなり、社会的対立が拡大することが懸念されている。


金潤鍾 zozo@donga.com