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中国小説家の閻連科氏「話のネタがあふれる中国での作家生活は幸運」

中国小説家の閻連科氏「話のネタがあふれる中国での作家生活は幸運」

Posted November. 13, 2019 08:39,   

Updated November. 13, 2019 08:39

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「中国では、特別なインスピレーションは必要ありません。話のネタがあふれる時代と国に生まれて、作家として文を書くことは幸運です」

作品のうち8冊が禁書に指定された巨匠は、中国作家なのでラッキーだと話した。奇妙な事件・事故があふれるせいで、ネタを探しやすいという滑稽的な表現だった。

小説家閻連科 (61)が、大山(テサン)文化財団と教保(キョボ)文庫が用意した「2019世界の作家との対話」に出席するために韓国を訪れた。氏は12日、ソウル中区(チュング)の飲食店で行われた懇談会で、中国社会と作品世界についての意見を明らかにした。

彼は、莫言、余華と共に現代中国を代表する文豪に挙げられる。長編小説「人民のために服務せよ」と「丁莊夢」「風雅頌」「四書」、中編小説「夏日落」、エッセイ集「私と父」「年月日」などが国内に出版された。高度成長の背後に隠された中国社会の暗い面を加減なしに描き出す作品を主に書いてきた。

最近、香港デモが激化しているというニュースが伝えられたせいだろうか。作家はあらかじめ、「敏感な問題には答えるのが難しい」と了解を求めたのに、政治についての質問が殺到した。彼は、「2008年に韓国のBSE(狂牛病)関連デモに偶然参加した経験がある」と話し始めた。

「二つのデモ共に、人間の自由と尊厳のために激しく努力するプロセスです。人類の自由と尊厳のためのすべての努力は崇高します。そしていかなる理由であれ、暴力が行われてはなりません。人の命は何より大事です」

経済大国として浮上した中国の役割については、「関心がない」と言い切った。それよりは、中国で生きていく14億人の人口の生活に関心を持ってほしいと訴えた。彼は、「中国では「英語が湖南地方で生まれた」とか、「イエスの故郷は中国東北地方だ」という主張が知識人の間でさえ広く取りざたされている。このような不合理なエピソードを語るためには、3泊4日も足りない」とし、「私の小説は現実より単純だ」と中国社会を遠回しに批判した。

問題作家として呼ばれるが、彼は自分を「失敗した作家」「弱い人間」と規定した。まだ満足できる作品を書いていない上、中国社会について事実を書いただけで批判したことはないと自評している。

コソボ民族浄化問題を擁護した前歴で論議の中心に立った2019年のノーベル文学賞受賞者ペーター・ハントケについては、「中国の作家たちとは違う。作家は参加して意見を出さなければならないが、中国の作家は沈黙する。参加は重要だ」と話した。

「検閲制度は文章を書く人たちの自由を抑圧します。しかし、禁書が必ずしもいい本ではなく、逆にそんな中で出版する作品がすべて悪いものでもありません。(今後も)芸術的観点から代表作を出すことができなければ、徹底的に失敗した人生になるんでしょうね」


李雪 snow@donga.com