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政府、WTO途上国地位を放棄へ

Posted October. 22, 2019 08:39,   

Updated October. 22, 2019 08:39

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国際貿易で関税と補助金の優遇措置を受けることができる世界貿易機関(WTO)の開発途上国扱いを韓国が放棄することを決めた。農業界は10兆ウォン台の補償を要求しているが、政府は「開発途上国扱いを放棄しても農業に被害はない」と主張しており、論議が予想される。

21日、政府と国会関係者によると、政府はWTOの開発途上国扱いを放棄する方向で発表の時期を調整している。25日、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部(企財部)長官の主宰で対外経済長官会議を開き、途上国の優遇措置の放棄を確定する可能性が高い。最終発表に先立ち、キム・ヨンボム企財部1次官ら政府関係者が22日、ソウル大韓商工会議所で農業人団体と会って説得する計画だ。

これに先立ち、米国は、中国とインドがWTOの開発途上国の優遇措置で急成長すると、開発途上国の認定に制度改善が必要だと主張した。WTO協定で開発途上国に対する優遇措置を規定した条項は約150にのぼる。開発途上国が先進国に輸出する場合、関税の優遇を受けたり国内産業に補助金を与えるという内容だ。トランプ米大統領は今年7月26日(現地時間)、「WTOが90日以内に、中国など約20ヵ国の開発途上国の優遇措置を止めなければ、米国が一方的にでも開発途上国の待遇を停止する」と明らかにした。トランプ氏が指定した期限は今月23日。

政府は、開発途上国扱いを放棄しても農業部門が受ける優遇措置に変化はないと見ている。米国が過去、WTOの公式会議や非公式協議で、各国が現在受けている関税優遇を維持するという考えを数回明らかにしたので、実質的な変化はないということだ。また、事実上、WTO内の最後の農業交渉であるドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉が19年間漂流中なので、今後開発途上国扱いを主張する交渉テーブルもほとんどないと見ている。

 

米国との懸案が山積しており、実益が少ない開発途上国扱いを維持する大義名分は小さいと政府は判断している。米国との在韓米軍駐留経費負担交渉が始まったうえ、通商拡大法232条による自動車関税の決定が11月13日に迫った。政府関係者は、「韓国が開発途上国に残る場合、米国と中国の争いが、米国対韓国の構図に変質する恐れがある」と指摘した。

一方、農業界と学界は、直ちに目に見える影響がなくても、今後WTO農業交渉が再開する場合、大規模な関税引き下げは避けられず、農業が被害を受けると懸念する。21日、全国農民会総連盟、光州全南(クァンジュ・チョンナム)連盟など6団体は、全羅南道務安郡(チョンラナムド・ムアングン)の全南道庁の前で記者会見を行い、「輸入農産物の関税が下がり、政策補助金にも影響を及ぼすことになるだろう」と指摘した。ソウル大学国際大学院の安徳根(アン・ドククン)教授は、「直ちに被害がないとしても、今後の交渉で関税の優遇が減るのは事実」と指摘した。

農業界は開発途上国扱いの放棄をめぐって、政府に10兆ウォン規模の補償を求めている。しかし政府は、「農業に被害はない」という論理を前面に出し、対策に難航している。韓国農畜産連合会所属団体は非常対策委員会を構成し、国家予算の農業予算の割合を5%まで高め、農漁村共生協力基金の不足分を政府が拠出するよう求めている。農業界が主張する来年予算の5%は25兆7千億ウォンで、来年の農林水産食品部予算(15兆3千億ウォン)より10兆4千億ウォン多い。


崔惠? herstory@donga.com