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パスカルの賭け

Posted October. 19, 2019 08:44,   

Updated October. 19, 2019 08:44

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天気が肌寒くなり、葦の風景が秋の気分を存分にそそる。パスカルは人間を「考える葦」と表現した。人間はたとえ卑しい存在だが、思惟を通じて宇宙を抱くこともできる巨大な存在にもなるということだ。宇宙的レベルから見れば、埃よりも小さい存在である人間が、気候変動により地球が滅亡することを心配しているのを見ると、パスカルの言葉は全く間違っていないような気がする。

産業化後、人間が排出した二酸化炭素が温室効果を作って地球がますます熱くなっている、とうのが地球温暖化論者の主張だ。二酸化炭素の排出を減らして地球温暖化を防ぐことができなければ、人類は滅亡するという警告が、国連とその傘下の専門機関(IPCC)から出ている。

しかし、温暖化災害を警告する人々を「不安造成者(Alarmist)」と非難しながら、彼らの主張に科学的根拠が足りないと指摘する「懐疑論者(Skeptic)」たちもいる。彼らは、温室効果を否定はしないが、人間が地球温暖化の原因だと断定するためには、より多くの科学的研究が必要だと主張する。地球温暖化には、温室効果以外にも、地球公転軌道、海流、火山の噴火などがはるかに大きな影響を及ぼしたという。

温室効果への寄与度は、水蒸気が95%、二酸化炭素が4%、残りの温室効果ガスが1%であり、二酸化炭素の役割自体が小さい。さらに、二酸化炭素発生量の97%は自然の中から出てくるものであり、人間が排出した二酸化炭素は3%に過ぎず、結局、人間の地球温暖化への寄与度は0.12%で微々たるものだという。先月は、世界の500人の科学者が国連事務総長に、現在の気候変動終末論が科学的根拠が足りないという抗議書簡を送ったりもした。

地球温暖化の支持者であれ懐疑者であれ、どの一方の主張を無視するには、それぞれの科学的根拠が少なくない。しかし、両者が一致する合意は、「どの科学者も、将来を予測することはできない」ということだ。

地球温暖化により災いに見舞われるかもしれないし、みまわれないかもしれなければ、果たして私たちはどのように行動すべきなのか?ここでは、いわゆる「パスカルの賭け」が答えを得るのに役立つだろう。

数学者で神学者のパスカルは、神を信じるか否かを決定する合理的方法を確率で説明した。要約すると、神が存在しなければ、神を信じても信じなくても損をすることはないが、神が存在するなら、神を信じない場合は多大な損害を被ることになる。これを地球温暖化に代入してみると、地球温暖化を信じて備えれば、たとえ災害が発生しなくても利益になる。環境汚染を防止し、自然エネルギー技術を発展させて成長エンジンを確保し、化石燃料の使用を大幅に削減することで、粒子状物質問題を解決する恩恵まで享受する。

しかし、地球温暖化を信じず、化石燃料を無節制に使用すれば、気候災害が発生しなくても、汚染された環境の中で苦しむことになり、ひょっとして温暖化災害が発生することになれば、人間は滅びに至るようになる。結局、「考える葦」が取る合理的選択は、依然地球温暖化に備えることだ。


キム・ソンギョン記者 tjdrud0306@donga.com