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スマートシティの中核となった気象データ

スマートシティの中核となった気象データ

Posted August. 24, 2019 09:17,   

Updated August. 24, 2019 09:17

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最初の文明である4大文明が始まって以来、人類はつねに都市を建設して集まって生きてきた。より良い生活環境のために作られた都市は、ますます巨大になり、文明の象徴として位置づけられた。しかし、空間への理解なしに、規模だけを育てた都市は上下水道さえまともに備えることができず、衛生問題を皮切りに、資源の枯渇とインフラ、エネルギー不足など、様々な問題を引き起こすし、これは欧州人口の半分を奪ったペストのような災害を起こしたこともある。

産業革命以来、人類は目覚しい成長を遂げたにもかかわらず、依然として都市問題を解決できず、むしろ、技術進歩がもたらしたもう一つの都市問題に直面した。それにもかかわらず、昨年発表されたマッキンゼーのレポートによると、現在、世界人口の55%が都市に住んでおり、2050年までに68%が住むという。このように、狭い地域に多くの人口が集まって、生活として発生する都市の根源的な問題を解決するために、最近提示されている新しい解決策が、ほかならぬスマートシティだ。

スマートシティの始まりは、都市を正しく知ることにある。その理由は、スマートシティは、さまざまな種類の電子データの収集センサーを活用して都市の資産とリソースを効率的に管理することを目標に据えているからだ。スマートシティは、人口、交通量、空間情報、天気予報など様々なデータを収集する。その中でも、生活環境改善という基本問題を解決するために、最も根本となるデータがほかならぬ天気と空気データだ。

ソウル市は3月、2500件あまりのモノのインターネット(IoT)都市複合センサーを設置して、空気の質、気象、騒音、光公害など10種類の都市環境データをリアルタイムで収集すると発表した。これにより、粒子状物質、紫外線、猛暑など、都市の局地的生活環境情報と予報を提供し、最適な散水車の移動経路の設定などの行政効率の向上を図る。最近山林庁が発表した都市の風の道の森事業も、天気と空気データを活用する。粒子状物質濃度の悪い地域に都市の森を造成し、これを都市郊外の森林と繋げて都市にきれいな空気が流れる風の道を作るこの事業を通じて、粒子状物質低減だけでなく、都心内の夏の真昼の温度を3〜7度下げてヒートアイランド現象を解消する効果も期待される。海外では、ドイツのシュトゥットガルトが天気と空気データを活用して、都心に「グリーン、ユー・フォレストラ」という8キロの長さの風の道の森を作った後、2014年に高濃度粒子状物質の日数を3年ぶりに3分の1の水準に減らしたことがある。

天気と空気データは、他のデータとの融合が容易で、利用率が無限であるという長所もある。例えば天気、空気データと医療データを連携後、第4次産業革命技術であるビッグデータ、人工知能を通じてデータの価値を高めれば、地域に応じた特定病気の発生率と患者別オーダーメード型行動パターンを提供できるので、健康管理と治療に役立つ可能性がある。

未来のスマートシティは、結局多くのデータの有機体のような姿になるはずなので、天候や空気データは、それ自体の価値だけでなく、他のデータとの融合性まで備えたスマートシティの重要なデータとして位置づけられるだろう。したがって都市のあちこちに、リアルタイムの測定センサーを設置し、天候や空気データを正しく把握できれば、快適な生活環境と未来スマートシティ産業の主導権という二兎をつかむことができるだろう。