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金正恩氏の高級車、5ヵ国経由で密輸か 米C4ADS報告書

金正恩氏の高級車、5ヵ国経由で密輸か 米C4ADS報告書

Posted July. 23, 2019 08:36,   

Updated July. 23, 2019 08:36

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米シンクタンク、高等国防研究センター(C4ADS)が最近、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の高級車2台が韓国や日本など5ヵ国を経由して北朝鮮に密輸される輸送経路を分析した報告書を発表し、注目された。C4ADSの研究者、ジェイソン・アーターバーン氏は19日(現地時間)、東亜(トンア)日報との単独インタビューで、「車が最初に貨物船に積み込まれた時からいくつかの企業が北朝鮮行きを計画して動いたものとみられる」と明らかにした。

報告書によると、2015~17年、北朝鮮にぜいたく品を輸出する過程には、90の国が関与した。輸送経路が確認された正恩氏のドイツ製高級車「メルセデス・マイバッハS600ガード」の場合、これを積んだコンテナが、オランダ・ロッテルダムの港を出発し、中国・大連→大阪→釜山(プサン)で別の船に積み替えられ、ロシア・ナホトカまで運ばれた。

アーターバーン氏は、「(正恩氏の車が)オランダで最初に船積みされた時から、いくつかの企業が北朝鮮行きを計画して動いたと見られる」と指摘した。また、「ドヨン海運(Do Young Shipping)」という韓国企業が関わっていたことについては、「問題の車を運送した船舶の所有会社で、北朝鮮産の石炭の瀬取りに関わった船舶も所有している」とし、「様々な状況を考慮すると、北朝鮮に行くことを知らなかったと見ることは難しい」と主張した。この会社は、国内メディアのインタビューを受け、「北朝鮮行きについては知らなかった」と明らかにしている。ただし、アーターバーン氏は、「個々の企業の事例が政府の介入につながるというわけではない」とし、韓国政府の関与の可能性については線を引いた。

アーターバーン氏は今回の研究について、「今まで北朝鮮に密輸されたぜいたく品の分析は人権あるいは国内政治の次元で接近したが、今回の研究は意味づけや評価を排除したデータ分析という点で違いがある」と説明した。C4ADSは、報告書を出した後、名前を明らかにできないいくつかの国の機関から連絡を受けたという。アーターバーン氏は、「北朝鮮はデータが不足し、分析が容易ではない国」とし、「にもかかわらず北朝鮮はデータ科学の観点でも非常に興味深い分析対象」と付け加えた。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com