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板門店会談の意味に泥を塗る北朝鮮の韓米軍事演習批判

板門店会談の意味に泥を塗る北朝鮮の韓米軍事演習批判

Posted July. 18, 2019 09:46,   

Updated July. 18, 2019 09:55

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北朝鮮外務省報道官が15日、来月に予定された韓米合同軍事演習(同盟19-2)に対して「同盟19-2演習が朝米実務協議に影響を与えるだろう」と述べた。さらに、「韓米合同軍事演習の中止は、トランプ米大統領がシンガポール会談で約束し、(先月の)板門店(パンムンジョム)で繰り返し約束した問題」と主張した。韓米が予定通り演習を行う場合、非核化実務協議の中止だけでなく、核・ミサイル実験まで再開できるという脅しだ。

北朝鮮が言及した「同盟19-2」演習は、韓国軍の主導で実施する韓米合同危機管理演習。昨年廃止された韓米合同乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)演習に代わるもので、防衛に焦点を置いた通常の演習だ。さらに韓国軍の戦時作戦統制権の返還能力を検証する目的で実施される演習にまで北朝鮮は難癖をつけている。

米朝首脳は先月30日の板門店会談で、2、3日中に非核化実務協議を再開することにしたが、2週間が経ったにもかかわらず、実務協議は先が見えない。米国は、北朝鮮に協議の場所の選定まで一任したが、北朝鮮は場所ではなく新しい脅迫カードを出したのだ。ポンペオ米国務長官が北朝鮮に対して、「これまでなかったアイディアを持って(交渉の)テーブルで来ることを望む」と迫ると、対抗して神経戦に出たとみえる。

北朝鮮が、今回矢を米国に向け、韓米合同軍事演習を非核化実務協議の前提条件に掲げた。協議の再開に先立ち、一つでも多くを得るための布石という話だ。北朝鮮が、2月のハノイでの会談決裂後、実務協議ラインと戦略を変えている状況で、内部的に協議の準備ができていない証しという見方もある。

韓米は、北朝鮮側の要求を一蹴し、演習を予定通り実施すると明らかにした。万一、北朝鮮が今後、米国と直取引をして、韓米合同軍事演習を中止させようとするなら、見過ごしてはならない。北朝鮮が韓国政府を排除し、米国との実務協議だけですべての問題を決めようとするのは、予想される韓国の牽制を遮断するという狙いがある。北朝鮮の主張どおり、板門店会談でトランプ氏の軍事演習の中止の約束があったのかも確認する必要がある。韓米間の情報共有が緊密になってこそ、北朝鮮の無理強いを制御できるだろう。