Go to contents

トランプ氏「国に帰っては」、非白人議員を嘲弄して逆風

トランプ氏「国に帰っては」、非白人議員を嘲弄して逆風

Posted July. 16, 2019 09:55,   

Updated July. 16, 2019 09:55

한국어

トランプ米大統領が、自身に批判的な民主党の非白人の初当選下院議員4人に対して、「自分の国に帰っては」と言及し、人種差別に対する激しい批判に直面した。不法移民の取締り、市民権の有無を問う国勢調査などトランプ氏の政策論議が続いている時に起こった露骨な人種差別メッセージであるため、世論の非難も強まっている。

トランプ氏は14日、ツイッターに、「世界で最も腐敗し、無能な国から来た民主党進歩女性議員が最も偉大で最強の米国の運営に対して罵倒するとは実に興味深い」とし、「自分の国に帰って崩壊した犯罪だらけの地元を立て直したらどうか」と皮肉った。また、「そのような場所はあなたたちの助けを必要とするので、さっさと行ってもらいたい。民主党のペロシ下院議長もすぐに帰国問題を解決してくれるだろう」と投稿した。

トランプ氏は、実名は挙げなかったが、念頭に置いているのは、アレクサンドリア・オカシオコルテス(30・ニューヨーク)、イルハン・オマル(37・ミネソタ)、ラシダ・トレイブ(43・ミシガン)、アヤナ・プレスリー議員(45・マサチューセッツ)と見られている。米メディアがよく「Squad(一群の友人集団)」と呼ぶ彼女たちは、2019年1月に下院に登院するや、トランプ政権の政策を批判し、大統領の「やっかい者」となった。特に、民主党指導部が逆風を憂慮して敬遠する大統領弾劾にも言及し、ユダヤ系批判もはばからず、ペロシ氏ら指導部とも対立してきた。

オカシオコルテス氏はプエルトリコ系、オマル氏はソマリア系イスラム教徒、トレイブ氏はパレスチナ難民2世、プレスリー氏は黒人だ。ソマリア難民で10代の時に市民権を得たオマル氏を除く3人は米国生まれ。このためトランプ氏は、米国で生まれでも非白人は米国人と認めないという考えを示したと指摘されている。

怒ったオマル氏は、「大統領が白人民族主義を煽っている」と批判した。プレスリー氏とトレイブ氏も大統領を「人種主義者」と批判し、弾劾論を再び取り上げた。これまで初当選4人の突飛な行動を快く思っていなかったペロシ氏も、「多様性こそ米国の力」と庇った。ペロシ氏はツイッターに、「大統領の発言は国を分裂させる外国人嫌悪発言だ。『米国を再び偉大に』というスローガンは、『米国を再び白人の国に』と同じこと」と非難した。

トランプ氏は論議が広がると、同日夜、再びツイッターに、「民主党が米国を悪く言う人を擁護するのを見るのは悲しい。米国について罵ること、自分の敵対勢力を人種差別主義者に追いやることを放っておくわけにはいかない」と投稿した。米メディアは、民主党指導部と強硬派の初当選議員の分裂を狙ったトランプ氏の今回の発言がかえって民主党の結束を呼び起こしたと分析した。米紙ニューヨーク・タイムズによると、現在、移民および移民2世議員は下院に52人、上院に16人いる。

トランプ氏の発言が出た14日は米全域を対象に大々的な不法移民取締りが始まった日でもある。CNNなどによると、米移民・税関捜査局(ICE)が主導する今回の作戦は、ニューヨークやサンフランシスコなど9つの大都市で同時に行われた。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com