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球団年俸1位のロッテはなぜ成績は最下位なのか

球団年俸1位のロッテはなぜ成績は最下位なのか

Posted July. 12, 2019 10:56,   

Updated July. 12, 2019 10:56

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プロ野球ロッテが絶望的だ。選手たちの年俸は10球団のうち1位なのだが、成績は最下位だ。総体的難局だ。投手も打者も芳しくない。守備もメジャーリーグにまで紹介されるほど恥ずかしい場面を連発している。原因は数十あるだろうが、大きく見ると一つの要因から始まる。捕手が不安だ。ホームが揺れれからチーム全体が崩れた。

捕手は単に投手のボールを受けるだけの存在ではない。ボールカウントを確かめ、野手たちの守備位置も調整するなど失点に関連したすべての状況をコントロールする。だからフィールドの司令官と言うのだ。かつてSKを指導した金星根(キム・ソングン)監督は、「捕手パク・ギョンワンがチーム戦力の50%」だとも話した。

ロッテは2017年に主力捕手カン・ミンホが自由契約選手(FA)資格を得て三星(サムスン)

に移籍してから苦難が始まった。契約を結ぶ過程で選手を失うことはあり得る。問題は対案だ。ロッテには二つの選択肢があった。カン・ミンホに代わる選手を外部から獲得するか、内部の有望株を育てるかだった。

ロッテは内部育成に舵を切った。ところが捕手は実戦で2、3年は経験を積んでところで、ようやく一人前になる。また捕手が不安だとチーム全体が揺れる。耐えなければならないことが多い。慎重に考えるべきだった。ところがロッテは、捕手の役割を過小評価したか、内部人材の能力を過大評価した。

投手がゴロを投げると捕手は体を張って止めなければならない。これをブロッキングという。ロッテの捕手たちは、落ちる変化球を逸らし続けている。走者が3塁にでもいると、失点にならないかと戦々恐々ととしている。頭の中で配球のことを考えるような余裕があるはずがない。ただ、逸らさないようなボールを注文する可能性が高い。相手打者が知らないはずがない。また、捕球も滑らかでない。ストライクと取れるようなボールも、捕り方が下手だとボール判定になる。だからロッテの投手たちは四球、暴投、非本塁打、防御率の全てで最下位だ。こうした状況下で守備が集中力を維持するのは奇跡だ。当然のことだが、失策も一番多い。

問題は昨年から始まったが、ロッテは認めようとしなかった。今季開幕を控えて捕手要員3、4人が市場に出たが、本気で取り組まなかった。内部育成決定への確信が強かったようだ。昨年末に就任したヤン・サンムン監督でさえ、「良い投手が良い捕手を作ることもできる」と言い、指導に自信を示して球団の方針を支持した。

現実は、間違いなく「不安な捕手が不安な投手を作る」という結果となっている。それでも「選択は少なくとも間違っていなかった」と信じている様子だ。こういう現象を認知的不協和(cognitive dissonance)という。考えていたことを異なる結果になった時、誤謬を修正しようとせず、その選択は正しかったか、不可避だったと信じようとすることだ。

認知的不協和は個人の些細な選択から組織や国の重大な決定に至るまで、例外なく適用される。人間のすることだからだ。このため、意識的に抜け出さなければならない。選択はいつでも間違っている可能性がある。誤謬を認めれば学習をすることになり、学習すれば発展する。認知的不協和に閉じ込められれば学習できる機会はなくなる。絶望が明日も続く。

組織内の陳知的不協和を解決する方法の一つが意思決定プロセスの改善だ。間違っている可能性があることを認めて、反論を含めて多様な意見が示されるようにするべきだ。ロッテは、恐らくこの部分に問題があるはずだ。捕手問題は、偶発的ではなく組織文化から生まれた可能性があるという意味だ。ロッテは1992年の韓国シリーズ優勝以来30年近く優勝がない。ファンの失望感は極度に達している。プロ野球全体の盛り上がりにも影響が出る。今一度顧みるべき時期に来た。


シン・ムギョン記者 yes@donga.com