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「遺伝子変異、電子タバコが一般タバコより6倍も多い」

「遺伝子変異、電子タバコが一般タバコより6倍も多い」

Posted June. 18, 2019 08:28,   

Updated June. 18, 2019 08:28

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電子タバコを吸った人は、一般のタバコの喫煙者より、気管支遺伝子が6倍も多く変異したという海外大学研究チームの実験結果が韓国国内で公開された。気管支細胞の遺伝子変異は、肺線維化などの気管支疾患を起こしたり、肺のがん細胞を他の臓器に転移させたりする主な原因となっている。電子タバコが一般タバコより体への有害性が少ないという通念を破る結果といえる。

慶煕(キョンヒ)大学病院呼吸器アレルギー内科のチェ・へスク教授は最近、保健福祉部主催で行われた「世界禁煙デーを巡る学術フォーラム」で、米ノースカロライナ大学の研究チームが米国生理学会誌に掲載した論文を紹介した。研究チームは2016年、一般タバコと液状型電子タバコをそれぞれ6ヶ月以上使用した喫煙者の気管支の上皮細胞を採取して、非喫煙者のものと比較した。一般タバコの喫煙者の一日平均喫煙量は12本(約144回吸引)であり、電子タバコユーザーの吸引回数は平均200回だった。二種類のタバコを同時に使用した人は、実験から除外した。

その結果、一般タバコの喫煙者の気管支からは、変形した遺伝子が53個発見されたのに対し、電子タバコのユーザーのものからは358個が発見された。この遺伝子を「発現量分析手法(FC)」で比べてみると、電子タバコのユーザー側は遺伝子の変形程度が一般タバコの喫煙者に比べて、低いところで1.2倍、高いところでは3倍もひどかった。

最もひどく変形した遺伝子は、癌を抑制する「EGR-1」だった。電子タバコを吸った人の肺と喉頭において遺伝子変異が幅広く現れただけでなく、そのレベルまでが一段とひどかったという意味だ。いかなるタバコであれ、一日の平均使用量が多いほど、遺伝子変異はより激しくなった。

これは、「たばこの葉を火で燃やした一般タバコの煙より、ニコチン溶液を沸かした電子タバコの蒸気のほうが、害は少ないだろう」という多くの喫煙者の考えとは異なる結果だ。専門家らは、ニコチン溶液が気化する過程で、追加の有害物質が生成するためと推定する。ニコチン溶液をニッケルなどの有害物質でメッキしたコイルで加熱する過程で重金属が混じり、加熱後、蒸気が冷たい空気に触れて凝縮すれば、体に悪い物質の濃度がさらに高くなりかねないという。

さらに大きな問題は、電子タバコは人気を集めてから10数年しか経っておらず、これを長期間使用した場合、どのような問題が発生するかはまだ十分に明らかにされていないことだ。チェ教授は、「『禁煙が難しければ、いっそのこと電子タバコを吸え』という一部の電子タバコメーカーのマーケティングに騙されれば、20年後、どのような副作用を経験するか分からない」と指摘した。


趙健熙 becom@donga.com