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在韓米軍削減禁止と核抑止の強化…米国は対北外交失敗に備えている

在韓米軍削減禁止と核抑止の強化…米国は対北外交失敗に備えている

Posted May. 25, 2019 09:19,   

Updated May. 25, 2019 09:19

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米上院軍事委員会が、在韓米軍の規模を現在の水準から削減することを禁止する内容の2020会計年度国防権限法案を通過させた。この法案は、「北朝鮮の通常兵器と大量破壊兵器の脅威が続いているため、在韓米軍を2万8500人以下に削減することを禁止する」と規定した。また、米国防総省の副次官補は、北朝鮮の核兵器開発にともなう韓半島の核不均衡の解消に向けて、核弾頭の搭載が可能な海上巡航ミサイルを戦術核の代案として議論していることを明らかにした。

米国の議会と政府は、北朝鮮核外交が失敗した後に備えている。在韓米軍の削減を禁止した法案は、トランプ米大統領が在韓米軍を北朝鮮に対する交渉カードに使用できないようにし、同時に米朝非核化交渉が破綻する場合に備えたものと見ることができる。特に、昨年発効された国防権限法は2万2千人以下の削減を禁じたが、それよりも6500人増やし、現在の在韓米軍の規模から一人も減らすことができないようにした。韓半島戦術核の代案として海上巡航ミサイルを取り上げのも然り。戦術核の配備は難しいが、非核化交渉が破局した場合、北朝鮮の核挑発の可能性に備えて拡大抑止力を大幅に強化する考えを示した。

このような米国の動きは、2月のハノイでの米朝首脳会談が決裂した後、膠着状態に陥った非核化交渉の行方を非常に暗く見ていることを証明する。トランプ氏は依然として対話の扉を開いており、北朝鮮の交渉復帰を促すものの、北朝鮮は相次ぐ挑発で緊張を高めている。特に、北朝鮮は最近、米国の貨物船の差し押さえに反発し、韓国政府だけでなく民間団体との接触まで断り、事実上、自閉状態に入った。そのため米国は、核問題の解決に向けた外交的努力が失敗した場合に備えて、軍事的態勢を強化しているのだ。

一方、韓国はどうか。政府は、北朝鮮への食糧支援カードまで出し、北朝鮮の交渉復帰だけにしがみついている。どうしても対話局面を継続しなければならないということだが、その一方で破局に備えた安保態勢は備えているのか疑問だ。最近の北朝鮮の相次ぐ挑発は、韓国全域を射程圏に置いた恐るべきミサイルで北朝鮮が武装していることを確認させたが、韓国政府や軍はそのような脅威に対抗する戦力を準備するどころか、挑発の意味を小さくすることに汲々としている。外交が力を発揮するには、その基礎に強い軍事力がなければならない。無力な外交は、「屈身」の別の言葉にすぎない。